【山形県の郷土料理】色鮮やかな食用ぎくの魅力とは

【山形県の郷土料理】色鮮やかな食用ぎくの魅力とは

“菊”というと、黄色い小菊をイメージされる方が多いのではないでしょうか。山形県では美しい菊の花を料理として楽しむ歴史があります。今回は“食用ぎく”についてご紹介します。

2023年01月27日

食用ぎくとは?

歴史

菊の花を食べる歴史は、中国から観賞用として日本へ渡り、江戸時代に食用として食べられるようになったと言われています。現在の日本では、食用ぎくとして香りや甘みのあるものが使われています。また、中国で菊は長寿の花とされ、お茶やお酒として飲まれていた歴史があります。菊の花などを見た目でも楽しむ中国のお茶は、現在の日本でも親しまれています。

生産量と旬

農林水産省の調査データによると、刺身のつまに使われる食用ぎく(小菊)は愛知県での生産が最も多く、調理して食べる食用ぎくは東北地方で多く生産され、山形県はもっとも多く、その収穫量は約130トンです。 旬は5月頃~1月頃で、山形県では紫色の「もってのほか(正式名称:延命楽)」、青森県では黄色い「阿房宮菊(あぼうきゅう)」などの種類があります。

食べ方

食用ぎくは、菊の花びらを食べます。花びらの部分を取り、沸騰したお湯に酢(※)を少々入れてさっとゆで、冷水に取り水気を絞ります。 ゆでた後は煮物や汁などに添えたり、サラダとして他の野菜と混ぜるなど、さまざまな方法で食べられます。 もちろん、冷凍保存をしておくこともできます。 (※)酢を入れることで菊の色を鮮やかに仕上げます。

食用ぎくの楽しみ方

おひたし

花びらの部分は筒になっており、シャキシャキとした食感を楽しめます。ゆでた食用ぎくに醤油を加えて食べるおひたしは昔から楽しまれています。

和え物や酢の物

なめこやほうれん草、小松菜、大根おろし、山菜などと和えると、より食卓が色鮮やかになります。またお酢ともよく合い、いつもの酢の物に食用ぎくをプラスするものおすすめです。

おにぎりやちらし寿司にも

食用ぎくはご飯との相性も抜群です。 おにぎりにして楽しんだり、ちらし寿司にちらす、太巻きの中身に使用するなど食用ぎくをプラスすることで華やかになるのでおススメです。

まとめ

郷土料理を伝えよう

いかがでしたか?このような伝統的な郷土料理を守っていきたいですね。 食用ぎくはスーパーなどでも手に入ります。もしみかけたら、今夜のおかずに一品足されるのはいかがでしょうか。 【参考文献・資料】 ・農林水産省/うちの郷土料理/山形県食用ぎくのおひたし(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shokuyogikunoohitashi_yamagata.html)閲覧日:2021年9月28日 ・東北農政局/「食育ブログ」食(く)リックひろば(https://www.maff.go.jp/tohoku/syouan/blog/kako/201602.html) 閲覧日:2021年9月29日  ・山形県/やまがた野菜をご家庭で!「やまがた野菜レシピ集」/もってのほか  (https://www.pref.yamagata.jp/301041/sangyo/nourinsuisangyou/nogyo/nousambutsu/yamagatayasairesipi.html)閲覧日:2021年9月21日  ・農林水産省/地域特産野菜生産状況調査/平成30年産調査結果データ(https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/tokusan_yasai/)閲覧日2021年9月29日

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著者

丸山 まいみ(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)

家庭の料理を通じて食に魅力を感じ管理栄養士となる。 診療所での栄養指導、特定保健指導、スポーツ選手に対する栄養教育に携わる。 現在は、ひとりひとりの背景に合わせ、食の楽しさや可能性を伝えるためフリーランスとして活動中。


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