【まだ間に合う!】コツコツ骨を強くする秘訣
私たちの身体を支える骨。個人差はありますが、18~20歳前後にピークを迎えて骨密度が最大化します。その後、加齢や様々な要因によって減少し、骨粗鬆症などのリスクが高まります。今回は、毎日コツコツ骨を強くする方法について、管理栄養士がご紹介します!
2021年08月13日
なぜ骨を強くする必要があるの?
骨が弱いとどうなる?
骨が弱いと、骨粗鬆症のリスクが高まり、骨折をしやすくなります。 骨粗鬆症は、私たちが気付かないうちに進行します。なぜなら、「痛い」などの自覚症状が初めのうちはほとんどないからです。 骨が強いとは、骨の質と密度がしっかりしていることです。骨折などの症状が出る前に、コツコツと骨を強くするための対策をすることが大切です。
骨を弱くしてしまう原因は?
骨は、骨吸収(古い骨を破骨細胞が壊す)と骨形成(骨芽細胞が新しい骨を作る)を常に繰り返しています。これを、「骨のリモデリング」と言います。このバランスが崩れてしまうと、骨がスカスカになり、骨粗鬆症に繋がります。 骨粗鬆症のリスクを高める要因としては、まず加齢が挙げられます。その他女性では、閉経後に女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減ることによって、骨粗鬆症のリスクが高まると言われています。これは、エストロゲンは骨形成を促し、骨吸収を抑える働きがあるからです。 またどの年代においても、骨の形成に関連する栄養素の摂取や、骨への刺激が少なくなること、生活習慣が乱れることにより骨を弱くしてしまう可能性があるのです。
骨を強くするにはカルシウムだけじゃない?!
積極的に摂りたい栄養素
カルシウムは骨にとって重要な栄養素であることは、ご存知の方が多いのではないでしょうか。しかし、カルシウムは食事から摂取した後、体内での吸収率が低く、さらに、加齢によっても吸収率が低下すると言われています。そのため、カルシウムだけでは、骨を強くすることはできないのです。 骨に大切な他の栄養素もご紹介します。
骨を形成する栄養素
骨を形成する栄養素は、カルシウムとマグネシウムです。食事からのカルシウム摂取量が不足すると、血中カルシウム濃度が低下して骨に蓄積されているカルシウムを削って使われてしまうため、骨粗鬆症のリスクが高まります。 そのため、カルシウム・マグネシウムは日常的に摂取したい栄養素です。 カルシウムは牛乳、乳製品、小魚、緑黄色野菜、大豆製品など マグネシウムは緑黄色野菜、豆類、玄米、海藻類などに多く含まれています。
カルシウムの吸収などを助ける栄養素
カルシウムは体内での吸収率が低い栄養素であるため、吸収を助ける栄養素を一緒に摂ることが重要です。 ビタミンDは、カルシウムの吸収を高めます。魚類、きのこ類などに多く含まれます。体内でビタミンDを合成するためには、1日20分ほどの日光浴が大切だと言われています。通勤や買い物で日常的に外に出る方は問題ありませんが、外に出かける機会の少ない方は、運動量アップ、リフレッシュも兼ねて外出されるのも良いですね。 また、ビタミンKはカルシウムの骨への沈着を助け、カルシウムの尿への排泄を抑えます。納豆、野菜類などに多く含まれます。
その他骨に大切な栄養素
動物性食品含まれるコラーゲンは、骨の柱となり、肉、魚、大豆製品、乳製品などに含まれるたんぱく質は骨を作る大切な栄養素です。コラーゲンの合成にはビタミンCが必要です。ビタミンCは果物や野菜などに多く含まれています。毎食の野菜はもちろん、果物を朝食や昼食で1日1回程度摂れると良いですね。 このように、骨を強くするためには、様々な栄養素が必要です。
意外と知らない!控えたい食品
カルシウムの吸収を妨げる食品
カルシウムなどの栄養素を意識して摂っても、食べ物の中には、過剰に摂ることで、カルシウムの吸収を妨げてしまうものもあるのです。 リンは骨に必要な栄養素の1つですが、食品添加物としてカップラーメンなどの加工食品、スナック菓子、ジュースや炭酸などの清涼飲料水に多く含まれており、毎日摂るなど摂取量が多い場合にはカルシウムの吸収を妨げてしまうことがあります。
カルシウムの尿への排泄を促進する食品
漬物や味の濃いもの、しょうゆやソースなどの調味料、スナック菓子などは食塩がたくさん含まれています。18歳以上の女性は7g/日、男性は8g/日が目標量とされています。味噌汁1杯で約2gあり、ラーメンを汁まで飲んでしまうと1日の食塩目標量の半分以上を摂ることになってしまいます。たくさん摂りすぎてしまうと、せっかく摂ったカルシウムを尿への排泄を促進してしまうのです。 また、コーヒーなどカフェインを多く含むものは利尿作用があるため、尿への排泄を促進し、カルシウムの吸収阻害してしまいます。カフェインの少ないデカフェにしたり、コーヒーを牛乳で割ってカフェオレで楽しまれると良いですね。
運動でさらに骨強化!
日頃から骨に刺激を
活発な運動を行っている人は、骨粗鬆症予防に有効である可能性が示されています。 骨強化のための運動(時間や頻度)についてのエビデンスはいくつかありますが、ウォーキングやジャンプなど、骨に縦の刺激を与えることによって骨の強度が増し、筋力トレーニングであっても、骨と筋肉は繋がっているため、骨に刺激を与えることができるのです。 厚生労働省の「アクティブガイド~健康づくりのための身体活動指針~」では、「いつでもどこでも+10(プラス・テン)」=今よりも10分多く毎日からだを動かすこと を推奨しています。 スクワットや散歩、階段を使うことなど、身近にできることから始めてみませんか? 腰痛や膝痛などがある方は、無理に活動量を増やさず、医師と相談しながら行うようにしましょう。
まとめ
毎日少しずつ
長い時間をかけて骨が作られるため、食事や運動を毎日コツコツ意識することで、骨を維持し、強くすることができます。 今日から、将来の骨の健康のためになにか始めてみませんか。 【参考文献・資料】 ・e-ヘルスネット/厚生労働省/骨粗鬆症予防のための運動 骨に刺激が加わる運動を https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-001.html (閲覧日2021年7月4日) ・e-ヘルスネット/厚生労働省/骨粗鬆症 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-043.html(閲覧日2021年7月4日) ・e-ヘルスネット/厚生労働省/骨粗鬆症の予防のための食生活 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-007.html(閲覧日2021年7月4日) ・骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2015年版/骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会 ・健康づくりのための身体活動基準・指針/厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html(閲覧日2021年7月4日)
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著者
丸山 まいみ(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)
家庭の料理を通じて食に魅力を感じ管理栄養士となる。診療所での栄養指導、特定保健指導、スポーツ選手に対する栄養教育に携わる。現在は、ひとりひとりの背景に合わせ、食の楽しさや可能性を伝えるためフリーランスとして活動中。