【気になる事実!】ケトン食やプチ断食は、長期間続けるとどうなるの?

【気になる事実!】ケトン食やプチ断食は、長期間続けるとどうなるの?

メディアやSNSで話題のダイエット法、ケトン食やプチ断食をご存知でしょうか?もしかしたら、すでに経験されて、一時的にダイエットに成功されている方もいるかもしれません。しかし、これらのダイエットは心血管疾患を誘発する可能性があるのをご存知でしょうか?今回、アメリカの大学で発表されたレビューを紹介しつつ、これらのダイエット法の仕組みや健康へのリスクについて解説したいと思います。

2023年12月21日

ケトン食とプチ断食の食事方法とは?

1.ケトン食とは?

ケトン食は、ご飯や麺類、パンなどに多く含まれる炭水化物を極度に制限し、身体をケトーシスに移行させる食事法です。ケトーシスとは、炭水化物から分解されたグルコースをエネルギー減とせずに、脂肪をエネルギー減とした代謝の状態をいいます。

2.プチ断食とは?

プチ断食の食事方法は1つに決まっていません。例えば、1日の中で特定の時間帯だけ欠食するもの、あるいは丸一日欠食するものなど多種多様です。

「ケトン食やプチ断食、その効果とリスク」のレビュー論文を簡単に説明

レビュー方法は?

メディアやSNSで話題になっているケトン食やプチ断食と、肥満や高血圧などのメタボリックシンドロームや心血管疾患との関連性を考慮した研究結果を集めて、評価されました。

レビュー評価を要約

「ケトン食は、短期的には減量に有効だが持続性に欠けるほか、動脈硬化や死亡リスクが高まるなどの傾向がみられるようだ」と述べられています。また、「プチ断食について示されている潜在的効果は大部分が動物実験によるものであるほか、リスクもあるため、いずれの食事法も現段階では推奨できない」と評価されました。 ケトン食もプチ断食も、さらなる研究が必要であり、心血管疾患やメタボシンドロームへの治療や予防には、推奨できないとされています。そこで、なぜケトン食やプチ断食が健康に被害を与える可能性があるのかを解説したいと思います。

ケトン食の注意点は?

注意点1:飽和脂肪酸の過剰摂取

ケトン食は、炭水化物を極端に減らすかわりに、たんぱく質や脂質を多く摂取しやすくなります。自己流でケトン食をする場合に脂質の量と種類に問題が生じる場合があります。 脂質は、分子の構造的な違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。そのうち植物や魚の脂に多く含まれるものを不飽和脂肪酸といいます。飽和脂肪酸はおもに動物性の脂肪に含まれます。 例えば、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの魚介類に含まれる不飽和脂肪酸は、体内で合成できないため摂取する必要があります。また、これらは動脈硬化や血栓を防ぐなど私たちの健康に良い影響を及ぼす作用を持っていると考えられています。 一方、揚げ物や肉類などに含まれる飽和脂肪酸を過剰に摂取した場合、心筋梗塞を始めとする心血管疾患を誘発するなど健康に害を及ぼす恐れがあります。

注意点2:カロリーオーバーになりやすい

脂質1gのカロリーは9kcalと、炭水化物やたんぱく質よりも多くなっています。つまり、脂質の取りすぎは、カロリーオーバーになりやすく、肥満へのリスクとしても注意が必要です。

プチ断食の注意点は?

注意点1:食べ過ぎを起こしやすい

長い間、空腹な状態が続くと、お腹が空き過ぎて次に食べた時に早食いを起こしやすくなります。早食いになると、脳が満腹だと感じる前に食べる量が多くなりがちになり、その結果、肥満や糖尿病、心血管疾患のリスクを高める可能性があります。

注意点2:栄養バランスが崩れやすい

長い間、断食を行い極端な摂取制限をしている場合、必須栄養素の摂取量が不足しやすくなります。特にビタミンやミネラルなどの栄養不足が生じ、その結果、様々な身体の不調が生じやすくなります。

まとめ

健康的に長く続けられるダイエット法を見つけよう

今回、流行りのケトン食やプチ断食について紹介しました。これらのダイエットは、短期的にはやせる可能性があるものの、長期的に続ける場合は不健康な食生活となり、健康へのリスクも考えられます。 主食、主菜、副菜の揃った食事を取りながら、健康的に長期間続けられるようなダイエット法を見つけてみてはいかがでしょうか。 【参考文献】 「ケトン食やプチ断食、その効果とリスク」(国立健康・栄養研究所) https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=72456&-lay=lay&-Find.html (アクセス日:2020年10月13日) 「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (アクセス日:2020年10月22日)

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著者

ウィリアムズ 早苗(管理栄養士)

大学卒業後、食品会社にてメニュー開発を経験。現在はオンラインでの栄養指導や、メディアでの執筆をしています。私たちが抱えている、食や健康に関しての問題点に注目し、それに向けての解決策の糸口となるようなお手伝いが出来る事をモットーにしています。


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