【健康維持にも◎】和食と牛乳を組み合わせる「乳和食」とは?
「乳和食」という言葉をご存じでしょうか。日本で古くから継承されている和食は、ユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的に注目を集めています。この和食に牛乳を組み合わせて調理する乳和食は、減塩効果やカルシウムを効率よく補給できるなどのメリットがあげられています。塩分の摂りすぎは高血圧や肥満の原因ともなってしまうため、健康維持やダイエットにも深く関与しています。そこで、今回は乳和食の具体的なメリットや取り入れ方についてご紹介していきます。
2020年12月14日
乳和食について
乳和食とは
和食は、穀物・魚介類・野菜類のバランスが良く栄養価が高く、脂肪分も少ないことから健康的な食事と考えられています。一方で、和食は塩分過多、カルシウムが不足しやすいという問題点があげられています。 そこで、乳和食は日本の伝統的な和食に使われる醤油や味噌などと牛乳を組み合わせ、食材本来の特徴や風味を損なわずに食塩やだし汁を減らしながら、美味しく和食を食べられる調理法として提案されました。
乳和食のメリット
美味しく減塩できる
現在の日本では、20歳以上の2人に1人は高血圧という結果が出ています。健康日本21(二次)による食塩摂取目標値は、平均8gとされています。しかし、令和元年の国民健康栄養調査による食塩摂取量の平均値は、男性10.9g、女性9.3gと目標値を大きく上回る結果となっており、目標値をオーバーしすぎないよう、注意する必要があります。 和食でよく使用する醤油や味噌、顆粒だしなどの市販の食塩の入っただし汁には塩分が多く含まれている場合があり、組み合わせによっては塩分過多になりやすいという問題点があげられています。ただ調味料を減らすだけでは物足りない、味が薄くて美味しくないなどと、減塩を上手く継続できない方もいるかもしれません。 しかし、和食と牛乳を組み合わさせることで、「コク」と「旨味」がプラスされ、調味料を減らしても満足感を損なわずに美味しく減塩できるのです。 【やせない理由は塩分?】塩分を意識することで得られる嬉しい効果3つ
カルシウム豊富な食事を摂れる
和食は一汁三菜でバンランスのよい食事とされていますが、カルシウムが不足しがちという点があげられています。カルシウム不足は骨粗しょう症や転倒骨折などのリスクが高くなります。乳和食で牛乳を使用することで、不足しがちなカルシウムを効率よく補給できます。 また、普段牛乳が苦手で飲めないという方でも、料理に組み合わせることで召し上がりやすくなりますよ。
和食が手軽に作りやすくなる
和食は、みそ汁や煮物など、だし汁を用いることが多いかと思います。乳和食では、牛乳と調味料と合わせることでだし汁代わりとなるので、だしを取らずに手軽に簡単に調理ができます。 また、乳和食を取り入れることで、今までとは一味違った料理を作れるので、料理のレパートリーを増やせます。
調理ポイント
表記の分量を守る
牛乳の分量などを変えると、味がぼやけたりミルク臭くなったりしてしまいます。しっかりと分量を守ることで、牛乳のコクや旨味が加わり味に深みを出すことができます。
火加減に注意する
牛乳は沸騰すると焦げ付きやすくなります。膜を張り、コクや旨味が膜に逃げてしまうので、底をかき混ぜながら火加減に注意しましょう。
ホーロー鍋やフッ素樹脂加工のフライパンを使う
乳成分のこびりつきが少なく、簡単に手入れができます。油をひかずに使えるので、エネルギーダウンにもつながるのは嬉しいですね。
落し蓋はクッキングペーパーを使う
アルミ製の蓋は内側についた水滴が料理に入り、味が薄くなってしまいます。クッキングシートは蒸気を通してくれるため、水滴ができず味が薄まることなく調理できます。
牛乳の選び方
「成分表示の原材料名が生乳100%」、「成分無調整」と表示された牛乳を選びましょう。乳和食のコクや旨味を出すには、牛乳の脂肪分が必要となります。低脂肪牛乳や加工乳では脂肪分が少なく、味や効果が不十分となってしまいます。 【ダイエットに効くのはどっち?】牛乳と豆乳の栄養成分を徹底比較!
調理方法
だしの代わりにする
だし汁を牛乳に変えることで、コクや旨味が加わり減塩につながります。煮物、おひたし、だし巻き卵、茶碗蒸しなどに活用できます。
調味料をわる・のばす
味噌や塩麹などの味の濃い調味料を水の代わりに牛乳を使うことで、旨味を残しながら減塩ができます。みそ汁、さばの味噌煮、焼き魚、麻婆豆腐などに活用できます。
ゆでる・ゆで戻す
野菜をゆでる時や乾物を戻す時に牛乳を使うことで、コクや甘みが加わります。ひじきの煮物、切り干し大根、ポテトサラダ、チャーシューなどに活用できます。
溶く
小麦粉などを牛乳でわると、旨味が加わり調味料が減らせます。うどんの麺、ホワイトソース、トンカツやから揚げなどの揚げ物に活用できます。
酢を加える
温めた牛乳に酢を加えて、乳清とカッテージチーズに分離させることで、料理の幅が広がります。乳清は、ピクルス、漬物、焼き魚、寿司飯などに活用できます。カッテージチーズは、魚のチーズ焼き、チーズだし巻き、白和えなどに活用できます。
まとめ
牛乳と和食の組み合わせは、なかなか味の想像が付かなかったという方もいるかもしれません。しかし、意外にも様々な料理との相性がよいですし、コクや旨味を出してくれるので、多くの料理に活用できますよ。 減塩につながり高血圧予防、カルシウムの効率的な補給などもできますので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。 【参考文献】 ・一般社団法人Jミルク/乳和食について (https://www.j-milk.jp/nyuwashoku/about.html)閲覧日:2020年10月20日 ・株式会社明治/はじめよう、おいしい乳和食 (https://www.meijioishiigyunyu.com/special/nyuwashoku/)閲覧日:2020年10月20日 ・厚生労働省 令和元年 国民健康栄養調査結果の概要 (https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf)閲覧日:2020年11月25日
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著者
高橋 みゆき(管理栄養士)