【毎月17日は減塩の日】減塩のメリットと実践するときのポイントとは?

【毎月17日は減塩の日】減塩のメリットと実践するときのポイントとは?

毎月17日は「減塩の日」です。塩分の摂り過ぎが健康によくないということは、皆さんご存じかと思います。しかし、実際に減塩を意識しているという方は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、塩分の摂り過ぎが身体にどのような影響を及ぼすかをお伝えするとともに、減塩のポイントについて管理栄養士が解説します。

2020年12月17日

「減塩の日」の基礎知識

「減塩の日」の由来とは?

「減塩の日」は、特定非営利法人日本高血圧学会によって2017年(平成29年)に制定された日で、1年を通じて減塩を啓発することをめざし、毎月17日とされています。減塩の日に合わせて、自治会や医療機関などによる公開講座や啓発イベント、食料品店での減塩食品フェアなどを開催され、減塩の普及が進められています。

塩分の適量とは?

厚生労働省が発表する日本人の食事摂取基準によると、1日あたりの塩分摂取量の目標値は、男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています。 しかし、令和元年に発表された国民健康・栄養調査の結果によると、食塩摂取量は平均で10.1g(男性10.9g、女性9.3g)となっており、日本人の食生活における塩分摂取量は、目標値よりもかなり多いことがわかります。

塩分を摂り過ぎるとどのような影響がある?

人間の体液中の塩分と水分は一定のバランスが保たれています。しかし、塩分を過剰に摂取すると体液中の塩分濃度を下げるために水分が多く取り込まれるようになり、血液量が増えることで血圧が高くなります。血圧が高くなると血管に負担がかかり、動脈硬化や脳血管障害、心筋梗塞などのさまざまな病気の原因となる可能性があります。

減塩のポイント

香味野菜や香辛料で味にアクセントをつける

ねぎ、にんにく、しょうが、しそなどの香味野菜や、こしょう、カレー粉、唐辛子、山椒などの香辛料を料理に取り入れると味のアクセントとなり、薄味でもおいしく仕上がります。 【マンネリ気味なときに◎】調味料&薬味の「ちょい足し」活用術

煮物や汁物は出汁を濃いめにとって調味料は少なめに

しょうゆを使う煮物や汁物は塩分が多くなりやすいメニューです。出汁を濃いめにとることで旨味が増すので、調味料が少なめでも満足感のある味となり、塩分を抑えられます。 【日本の味】「出汁」を上手に使い分けておうちの和食をもっと美味しく!

汁物は具沢山にして汁を減らす

汁物は汁に塩分が多く含まれています。そのため、具だくさんにして汁を少なくすることで塩分を抑えられます。汁物の具として野菜や海藻を多く加えると、体内の余分な塩分の排出を促すカリウムを摂ることができますよ。

加工食品は控えめにする

ウインナーやハム、チーズ、練り物などの加工食品は手軽にたんぱく質を摂れる便利な食材ですが、塩分も多く含まれています。お肉や魚、牛乳などの食材そのものをできるだけ取り入れるようにし、加工食品は料理にコクを加えるために少量だけ使うなど、上手に活用しましょう。

麺類のスープは残す

ラーメンやうどんなどの麺類のスープには塩分が多く含まれています。スープはおいしいのでつい飲み干してしまいたくなりますが、数口を味わって飲む程度に抑えられるとよいですね。

ソースやタレはかけるのではなく「つける」

ソースやタレを使う料理を食べる際、上からかけてしまうと量の調整が難しくなり塩分のとりすぎにつながります。小皿にソースやタレを入れ、少量ずつつけて食べるようにすると、塩分量を抑えられますよ。

減塩食品を活用する

最近では、減塩しょうゆや減塩みそ、減塩ソーセージなど、さまざまな減塩食品が発売されていますので、それらを活用するのもおすすめです。ただし、塩分が少ないからといってたくさん使うと、結局塩分を摂り過ぎてしまう可能性もありますので、使い過ぎには注意しましょう。

まとめ

減塩を意識して健康に!

いかがでしたか? 日本人の食生活はしょうゆやみそといった塩分の多い調味料を使うことが多いため、塩分の摂取量が多くなりがちです。しかし、塩分の過剰摂取が続くと大きな病気の原因となってしまう可能性もありますので、減塩のポイントを意識した食生活を送ってみてくださいね。 出典:日本高血圧学会 減塩委員会 アクセス日:11月4日 (https://www.jpnsh.jp/com_salt.html) 令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 厚生労働省 アクセス日:2020年11月4日 (https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf) 日本人の食事摂取基準 厚生労働省 アクセス日:2020年11月4日(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html) 高血圧 e-ヘルスネット アクセス日:2020年11月4日 (https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html)

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著者

藤井 歩(管理栄養士)

大学卒業後、給食委託会社・健康関連企業での勤務を経て、現在はフリーランスの管理栄養士としてオンラインでの栄養指導業務、特定保健指導、コラム執筆など栄養関係の様々な業務に携わっています。


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