【妊娠前から意識しよう】赤ちゃんと葉酸の関係って?
「妊活中は葉酸サプリメントを飲んだ方がよいらしい」と聞いたことはありませんか?実は「葉酸」は、厚生労働省も摂取を推奨しているほど、妊娠前・妊娠中の方にとって大切な栄養素です。今回は、葉酸が妊娠にどのような影響を与えるのか、また、どのようにしたら上手に摂ることができるのか、詳しく紹介していきます。
2024年01月30日
葉酸ってどんな栄養素?
DNA合成にかかわるビタミン
葉酸とはビタミンB群の一種で、細胞の増殖に必要なDNA合成をサポートしています。他にも、ビタミンB12とともに赤血球を作り、貧血を予防するのにも役立つ栄養素です。 また、動脈硬化の原因となる物質の産生を抑える働きもあり、脳梗塞や心筋梗塞の予防効果も期待されています。
葉酸と赤ちゃんの関係
妊娠初期は、お腹の中で急激なスピードで細胞分裂が行われます。また、この時期は神経管が発達する時期でもあります。そのため、妊娠初期に葉酸が不足すると神経管の形成が上手く行われず、「神経管閉鎖障害」という先天性障害の発症リスクが高まってしまうのです。 こうした背景から、赤ちゃんの神経管閉鎖障害を防ぐために、妊娠を希望する方や妊娠初期の方に対しては、葉酸を十分に摂取することが推奨されています。
どうして妊娠前からの摂取が推奨されているの?
妊娠がわかってからだと遅い可能性があるから
厚生労働省によると、葉酸を十分に摂取してほしい期間を「妊娠のおよそ1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月まで」としています。神経管は受胎後約28日で完成するため、妊娠を自覚した時にはこの期間を過ぎてしまっている可能性があるからです。妊活中の方は、できるだけ早い段階で、葉酸を積極的に摂るようにしましょう。
葉酸サプリメントなどの活用法
妊娠前~妊娠初期はサプリメントなどを活用しよう
妊活中の方・妊娠の可能性のある方・妊娠初期の方は、食事だけでなく、サプリメントや強化食品などからの葉酸の摂取が推奨されています。普段の食事にプラスして、1日400μgをサプリメントなどから摂ることが望ましいです。 あくまでも「食事にプラスする」ことが前提なので、葉酸の多い食材も積極的に取り入れてみてくださいね。
サプリメントを取り入れる時の注意点
ただし、サプリメントの摂りすぎによって神経症状などの健康被害が報告された例もあります。健康被害を防ぐため、サプリメントなどからの葉酸の摂取量は、20代の方は1日900μgまで、30代以降の方は1日1000μgまでと上限量が定められています。 なお、食事からの葉酸の摂取量には上限はありません。サプリメントを服用する場合は、葉酸が1錠にどのくらいの量入っているか十分に確認し、上限量を超えないように気を付けましょう。 また、食事以外からの葉酸摂取が推奨されているのは妊娠3ヶ月までなので、妊娠4か月目からはサプリメントの使用は控え、食事からしっかりと摂取するように心がけましょう。
葉酸が含まれる食材
野菜や果物・豆類など
ほうれん草やなばな、春菊、モロヘイヤなど葉物野菜に多く含まれます。また、白菜やアスパラガス、ブロッコリーなども葉酸の摂取には適しています。野菜以外にも、いちごやライチ、アボカド、枝豆、納豆などにも含まれます。 ただし、妊娠初期はつわりの症状で食事自体がつらい方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は無理をせず、ご自身が食べやすいもの少しずつ取り入れましょう。 また、葉酸は水溶性ビタミンなので、茹でると流れ出てしまいます。茹でる必要のある野菜であれば、お湯で茹でずに電子レンジ調理を活用したり、スープや鍋にして汁ごと食べられる工夫をしたりするとよいですよ。
まとめ
妊活中から葉酸を摂ることを意識しよう!
葉酸は赤ちゃんの成長を支えてくれる栄養素です。妊活中の方や妊娠初期の方は、妊娠前から普段の食事にプラスして、サプリメントなどを上手に活用しましょう。 【参考文献】 ・妊娠中と産後の食事について(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/ninpu-02.html 閲覧日:2021年10月1日 ・日本人の食事摂取基準(2020年版)(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html 閲覧日:2021年10月1日
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著者
藤倉 詩織(管理栄養士)
【予防医療】にかかわりたいという思いから、大学卒業後は健診センターに就職。現在はフリーランスの管理栄養士として、食や栄養に関するコラム執筆などに携わっています。より多くの人に「食べることが楽しい」と思っていただけるよう「正しい食の情報」をお伝えしていきます。