【最新文献から学ぶ】牛乳とコレステロールの関係とは?
カルシウムが豊富な食材の1つといえば牛乳。スープやシチューなどの食事、プリンなどのデザートに使われたり、身近な食材の1つですよね。今回は、牛乳とコレステロールの関係を、最新文献を参考に管理栄養士が解説します!
2021年08月21日
牛乳とコレステロールの関係
研究結果をチェック!
英国レディング大学からの研究報告では、大量の牛乳を摂取した人は、BMIが高めにもかかわらず、コレステロール値が低く、冠動脈疾患のリスクが低いことが分かりました。 脳梗塞や心筋梗塞などの心血管疾患の予防のために、牛乳の摂取量を減らす必要性がない可能性があるということです。
ただし、研究結果には不明な点も
今回のコレステロール値の改善に関係している因子が脂肪なのか、まだ知られていない牛乳の成分なのか、はっきりしたことは分かっていないと研究者は述べています。
コレステロールが高いとどうなるの?
コレステロールについて
コレステロールには、LDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールがあります。LDLコレステロールが血液中に多くなると、血管の内側に溜まり、動脈硬化を進行させる恐れがあります。
コレステロールに影響する脂質
LDLコレステロールを改善するためには、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸や、肉類の脂に多く含まれる飽和脂肪酸を減らし、魚などに多く含まれる不飽和脂肪酸の摂取を増やすことです。また、卵などのコレステロールを多く含む食品を摂りすぎないことも重要です。
牛乳の栄養と摂取量
牛乳の栄養をチェック
牛乳の100g中のカロリーは61kcal。コップ1杯を200gとすると122kcalです。 水分が多くを占め、脂質は3.8%、7.6gです。牛乳コップ1杯、約200ml(200g)に含まれる飽和脂肪酸は4.7g、バター約10gと同じです。コレステロールは24gで、卵1個と比較すると約1/8個程度となります。 これらのことから、他のコレステロール、飽和脂肪酸が豊富な食材に比べて、LDLコレステロールに影響のある栄養素はあまり多く含まないことがわかります。
牛乳・乳製品の適量は?
厚生労働省と農林水産省が合同で策定した「食事バランスガイド」では、1日の牛乳、乳製品の摂取目安は2サービングです。サービングとは食事の単位です。 1日の摂取例として、ヨーグルト1パックと牛乳コップ半分というように、2サービングを目安に摂るようにしましょう。 下記に、牛乳、乳製品の1サービングを示します。 ・牛乳 コップ半分 ・チーズ 1かけ ・スライスチーズ 1枚 ・ヨーグルト 1パック
牛乳は適量食べてOK
食事バランスを整えて、乳製品も摂ろう!
乳製品を摂ることでBMIは高めになっても、コレステロール値にはあまり影響しないことが、今回の研究でわかりました。ただし、牛乳は飲みすぎるとカロリーオーバーの原因にも。適量の摂取を心掛けて、未来の健康に役立てたいですね。 ・LINK de DIET/牛乳とコレステロールの増加には関係性なし? (https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=75118&-lay=lay&-Find.html) 閲覧日:2021年6月19日 ・厚生労働省/e-ヘルスネット 情報提供/脂質異常症(基本) (https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-012.html) 閲覧日: 2021年6月19日 ・厚生労働省/e-ヘルスネット 情報提供/食事バランスガイド(基本編) (https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-007.html) 閲覧日: 2021年6月19日 ・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【やせ習慣が身につく】管理栄養士が食生活をコーディネートするアプリって?
まずは無料でスタート♪食事を撮るだけ、プロから食事のアドバイスが届く!
- 専属の管理栄養士がダイエットをサポート
- 食制限なし!正しく食べて身につく「やせ習慣」♪
- 管理栄養士が、写真を目で見て丁寧にアドバイス。AIではありません!
- 「あってるかな?」そんな食事のお悩みを正しい知識でアドバイス
著者
森本 芙好(管理栄養士)
管理栄養士。体調不調をきっかけに栄養学を学ぶ。ダイエットの失敗を乗り越えた経緯から『なりたい自分』を目指す方の役に立ちたいと思い、現在は特定保健指導、コラム執筆に携わる。自身の食事テーマは、美容に良く、おいしい食事を楽しく食べること。ひとりひとりの価値観を大切に、自らを大切にするための身体にやさしい食事を提案することを目指しています。