【ご当地うどん】うどんの歴史と全国のうどん

【ご当地うどん】うどんの歴史と全国のうどん

日本には、古くからうどん文化が根付いています。関西と関東のうどんの違いは有名ですが、日本各地にご当地のうどんがあります。今回は、うどんの歴史と各地のうどんについて紹介します。

2021年07月10日

うどんの歴史

うどんの始まりは奈良時代から?

奈良時代に遣唐使が小麦粉を練って作るさまざまな唐菓子を紹介し、そのなかの1つである「餛飩(こんとん)」「餺飥(はくたく)」がうどんの源流ではないかと言われています。時代の流れを経て、鎌倉時代になると現在のうどんのように細長い形の食べ物に近づいていきます。室町時代になると調理法が手のひらで薄く延ばす方法から、包丁を使って細く切るようになったとされています。 江戸時代になるまでは、小麦粉は高級品の1つ。うどんを口にできたのは、宮中の貴族か、僧侶らに限られていたそうです。 江戸時代になるとうどん文化が広がり、江戸時代中期になると現在のうどんが完成したとされています。

うどんの原料「小麦粉」

小麦の生産

うどんの原料になる小麦の栽培には、雨が少なく、1年の平均気温が10~18℃くらいの地域が適していると言われています。日本では、北海道をはじめ、福岡、佐賀、群馬、茨城などの全国各地で栽培されています。

小麦粉の種類

小麦粉はグルテンの量や小麦の粒の固さによって3種類に分けられています。グルテンの量が多く、粒が固いものが「強力粉」、グルテンの量が少なく、粒が柔らかいものが「薄力粉」、中間のものが「中力粉」です。うどんで使われるのは「中力粉」や「薄力粉」が主になります。

うどんの色や味わいは「灰分」が決め手

「灰分」とは、リン、カリウム、鉄、マグネシウムなどのミネラルのことを指します。この「灰分」の数値が少ないほど、うどんの色は白っぽくなります。一方で、「灰分」が多いと、うどんの色は黒みがかかりますが甘みが増します。

関西と関東のうどんの違い

しょうゆと出汁が違いの決め手

うどんは関西、そばが関東というイメージが強いですよね。関西では、安価な「きつねうどん」から「うどんすき」のような洗練された鍋料理まであり、昔からうどんが根付いています。関東には小麦粉の産地があることから「武蔵野うどん」「水沢うどん」「加須うどん」などが有名です。 関西の人が関東のうどんの色を見て驚くことがあります。これは、関西はうすくちしょうゆを使うのに対して、関東ではこいくちしょうゆ使って作っているからです。出汁にも違いがあり、関西では、薄めに削ったかつおと昆布などで出汁をとることが一般的です。関東では、かつお節や宗田節、さば節などを厚めに削ったもので濃いめに出汁をとります。このしょうゆと出汁の違いが、関西と関東のうどんの大きな違いです。

ご当地うどん

全国各地にある!

うどんは関西と関東だけではなく、全国各地に有名なうどんがあります。

うどんの発祥地がある九州のうどん

福岡の博多は、うどんの発祥の地であり、太めで柔らかな「博多うどん」が地元ではお馴染みです。 さらに、長崎の五島には、鎌倉時代の元寇の際に伝わった「五島うどん」が有名です。「五島うどん」の麺は、細めで弾力のある食感が特徴です。

うどん県を要する四国のうどん

香川県の「讃岐うどん」は、こしの強さと弾力のある茹でたてのうどんに、薄味のかけ汁をかけて食べるのが一般的です。地元で獲れた小麦粉から作ることに力をいれています。 徳島には、うどんをゆで汁ごと入れたたらいを、大勢で囲み、生卵などをいれたつゆにつけて食べる「たらいうどん」があります。

個性が光る中部・北陸・東海のうどん

愛知は「きしめん」、「味噌煮込みうどん」、「カレーうどん」などが有名です。さらに、三重には太くてもっちりしたうどんに、黒いたれをかけていただく「伊勢うどん」があります。この黒さの秘密は、昔の人が、でんぷん原料を使わず大豆と食塩水だけで作る、たまりしょうゆをかけて食べていたことにルーツがあるとされています。たまりしょうゆによく絡むように極太のうどんを1時間かけて茹でることから、他の地域にはない独自のうどん文化が根付いています。 他にも山梨の「ほうとう」や長野の「おしぼり」、富山の「氷見のうどん」も有名です。

そば処に根付く東北のうどん

東北は、そば処が多く、他の地域に比べて有名なうどんは少なめです。 その中でも、300年以上続く細めの平らなうどんと喉ごしの良さが特徴の秋田の「稲庭うどん」が有名です。他にも、宮城には、素麺より少し太めの細さの麺を茹でて温かい汁をかけて、ねぎ・みょうがなどの薬味をのせて食べる「うーめん」があります。

まとめ

ご当地のうどんを食べに行くのは難しい状況ですが、ご当地のうどんをお取り寄せして、うどんで旅行気分を楽しんでみませんか。 【参考文献】 ・「うどん大全」(旭屋出版) ・「発見!体験!日本の食事③そば・うどん」(ポプラ社、監修:次山信男)

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著者

酒井 葉子(管理栄養士、東京糖尿病療養指導士)

幼少期にアトピー性皮膚炎で悩み、身体の内側から見直す必要性を感じて管理栄養士に。 大学卒業後は、給食管理業務や医療機関での栄養指導に携わり、現在は保健指導やコラムの執筆に従事。食を通して、充実した毎日のサポートを行ってまいります。


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