【山梨県のご当地食材】「甲州もろこし」は粒の大きさと甘さが自慢!
本州の中心に位置し、富士山や八ヶ岳、南アルプスなどの山々に囲まれる山梨県。ぶどうや桃などの果物の名産地として知られていますが、恵まれた気候や気象条件から他にも地域ごとにさまざまな名産品が存在します。今回はその中から、粒が甘くて大きいのが魅力な『甲州もろこし』の歴史や、とうもろこしの豆知識などをご紹介します。
2021年05月13日
山梨県ととうもろこし
歴史は古い!
山梨県では、戦前から雑穀としての甲州もろこしの産地化が行われていました。昭和32年頃に、富士北麓(ふじほくろく:富士の北側のふもと)や八ヶ岳山麓(やつがたけさんろく:八ヶ岳のふもと)の高冷地でスイートコーンの栽培が始まり、その後、甲府盆地の平坦地にも畑作作物として広がりました。 昭和40年代には、水田の裏作としてトンネル栽培が導入されたことで、栽培面積が拡大していきました。 ※水田の裏作とは、春から秋にかけての主要な作物を収穫したのちに、次の作付けまでの期間で他の作物を栽培することを言います。
栽培に適した気象条件
山梨県は、春の晴天率が高く日照時間が多いため、ビニールを利用したトンネル栽培をすることで、スイートコーンの生育に必要な温度の確保が可能になります。甲府市、笛吹市、中央市、市川三郷町などの甲府盆地の中部から東南部でこの栽培方法が行われていて、早出し(通常よりも早く出荷する)栽培として主力となっています。 他にも、夏の時期の冷涼な気候を生かした夏出し栽培が、八ヶ岳南麓や富士北麓などの高冷地で行われています。
甲州もろこしの品種
房が大きく先端まで実がついているものが多い「ゴールドラッシュ」、「きみひめ」「恵味」などの『イエロー品種』、「甘々娘(かんかんむすめ)」や「ミルフィーユ」などの『バイカラー品種』が栽培されています。中でも、特に地域ブランドとして定着しているのが「甘々娘」です。 消費者のニーズにもその都度対応していくため、全農、農協、県などの連携により、新しい品種の味や栽培性などの比較や検討などが行われているそうです。
とうもろこしの豆知識
名前の由来は?
とうもろこしは、漢字で書くと『玉蜀黍』。「穀粒が玉のような蜀黍(もろこしきび)」という意味を持ちます。蜀黍とは、日本古来の黍(きび)ではなく、中国の蜀(三国時代に存在した中国の地名。現在の四川省)の黍を表し名付けられました。 その後、「もろこしきび」の「きび」の部分が省略されて呼ばれるようになり、新しく中国から入ってきた黍を「唐:とう(中国)」の「もろこし」で「唐もろこし」すなわち『とうもろこし』と呼ぶようになったそうです。 日本にとうもろこしを伝えたのはポルトガル人ですが、この名前から、中国(唐)から入ってきたものも多かったのではと推定されているそうです。 【群馬県のご当地食材】強いねばねばに秘密がある!太田市の大和芋の魅力に迫る
とうもろこしのヒゲって何?
ヒゲの部分は、とうもろこしの雌しべ。粒の1つ1つから伸びているため、実とヒゲの数は同じなのです。花粉がつくと受粉し、粒の中に実が詰まっていきます。粒の数は、品種によって差があります。 【京都のご当地食材】大切に育てられた「京たけのこ」の魅力
まとめ
山梨県の中央市や市川三郷町などでは、地域ブランドとしてPRするべく、毎年6月に収穫祭や、直売、試食、もぎ取り体験などを行っていて、朝採りのスイートコーンを求めて長蛇の列ができるほど賑わうそうです。 とうもろこしワインやドレッシングなどの加工品の開発にも力を入れているそうなので、これからの時期に山梨県を訪れる機会があれば、ぜひ『甲州もろこし』を味わってみてくださいね。 【参考文献】 ・都会と田舎を結ぶ NPO都市農村交流支援センター/地元特産品による地域おこし/甲州もろこし復活プロジェクト (http://npo.fruits21.net/kousyumorokoshi/) 閲覧日:2021年3月9日 ・独立行政法人農畜産業振興機構/山梨県農政部果樹食品流通課/山梨県のスイートコーン 閲覧日:2021年3月11日 (https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/santi/1308_santi1.html) ・独立行政法人農畜産業振興機構/神が宿るトウモロコシ/<名前の由来> (https://www.alic.go.jp/joho-d/joho08_000173.html) 閲覧日:2021年3月11日 ・JAグループ/夏の旬野菜トウモロコシ/教えてJA!「トウモロコシの豆知識」 (https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=26) 閲覧日:2021年3月11日
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著者
佐藤 友香(管理栄養士)
1992年生まれ、福島県出身、東京都在住。1児の母。大学卒業と同時に管理栄養士の資格を取得後、保育園にて勤務。離乳食、乳幼児食、アレルギー食に携わり、栄養相談や食育活動も得意分野。現在はフリーランスとして栄養に関するコラム執筆を中心に活動。