【東京のご当地食材】純白の山菜「東京うど」は栽培方法に秘密があった!
独特の香りと苦味、シャキシャキとした歯ごたえが特徴の山菜、うど。野山に自生している山うどの栽培方法を改良し、市場からより高い評価を受けているのが『東京うど』です。今回は、東京を代表するブランド野菜の1つ、『東京うど』について、その歴史や魅力をご紹介します。
2021年03月19日
『東京うど』って?
うどには、緑色の「山うど」と白色の「軟白うど(軟化うど)」の2種類があります。野山に自生している山うどに対し、軟白うどは、光の入らない室(むろ、地下約3mの穴の中)で栽培しています。光合成をせず、真っ白のまま成長するため、その名前がついています。 この軟白うどこそが『東京うど』とも呼ばれているもので、東京の伝統野菜「江戸野菜」の1つです。
『東京うど』の栽培の歴史
うど栽培の広がり
うど栽培の発祥は京都付近と推定されており、その後、愛知県や三重県方面へと広がっていきました。 江戸時代後期には、旧武州多摩郡吉祥寺村(現在の武蔵野八幡宮周辺)や旧武州群上井草村寺分(現在の杉並区西荻北)でも栽培が始まり、特に上井草村寺分では尾張(現在の愛知県)での栽培方法を習得し試した結果、立派なうどができあがったことから、その付近一帯でうど栽培が広がっていきました。
「軟化うど」とも呼ばれている理由
昭和23年(1960年)頃になると、高橋米太郎氏が横穴を掘って穴蔵での軟らかいうど栽培の研究に取り組みました。その後3年ほどかけて成功し、まっすぐに軟らかく育ち全く土がついていない高橋氏が栽培したうどは、卸売り業者たちから高い評価を受けたそうです。 この方法で栽培されたうどは、『東京うど』または「軟白うど」「軟化うど」と呼ばれるようになり、東京を代表する江戸野菜の1つとなったのです。
室が引き出す『東京うど』の魅力!
アクが少なく、甘みがあり食べやすいのが『東京うど』の魅力の1つですが、実はそれにも、室の中で育てるという栽培方法が関係しています。 室の中の特徴は、日光が当たらないことと、温度が17~18度に保たれていることです。それによって、色が白くきれいに、やわらかく育つだけでなく、みずみずしく甘みのあるうどになるのです。
『東京うど』の部位別の楽しみ方
枝、穂先
枝と穂先はやわらかいので、皮をむかずに食べられます。独特の香りや苦味が際立つ部位なので、シンプルに天ぷらにすると風味をより味わうことができますよ。
茎
シャキシャキとした歯ごたえが楽しめる部位です。皮を厚めにむき、中身を軽く茹でてからサラダや和え物にすると、食感を十分に感じることができます。酢みそ和えは、『東京うど』の代表的な食べ方の1つです。
皮
捨ててしまいがちな皮も、きんぴらや炒めものにすると無駄なくおいしく食べられます。厚めに皮をむくことで、食感が残り食べごたえのあるおかずになりますよ。
根元
よく洗って厚く皮をむけば、根元まで味わうことができます。ごぼうのようにささがきに切ると、硬さのある根元でも食べることができます。卵とじにするのもよいですね。 【野菜なのにたんぱく質も?】旬の野菜「グリンピース」の栄養価を管理栄養士が解説!
選び方のポイント
『東京うど』の魅力を十分に堪能するために、ぜひ覚えておきたいのが選び方のポイント。茎が太く先までまっすぐ伸びていて、産毛が全体にびっしりと生えているものが新鮮な証拠です。さらにその中でも、色が白くてきれいで、香りがより強いものを選ぶとよいですよ。 特に鮮度が重要になるため、購入したらなるべく早く食べるようにしましょう。新聞紙に包んで冷暗所で保存することが、固くならずにおいしさをキープするコツです。 【静岡県の特産物】贈り物にも喜ばれる「はるみ」とは?
まとめ
『東京うど』を味わおう!
白くてきれいな見た目と、やわらかいながらもシャキシャキとした食感が魅力な『東京うど』。天ぷらやきんぴら、サラダや酢みそなど、部位ごとに合わせた食べ方で、口いっぱいに広がる風味をぜひ楽しんでみてくださいね。 【参考文献】 ・JAグループ/春・冬の旬野菜ウド 閲覧日:2021年1月17日 (https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=56) ・JA東京中央会/江戸東京野菜について/東京ウド 閲覧日:2021年1月17日 (https://www.tokyo-ja.or.jp/farm/edo/42.php) ・JA東京むさし/伝統野菜の「東京うど」をもっと知ってほしい! (https://www.jatm.or.jp/magazine/pdf/magazine_055.pdf?dl=true) 閲覧日:2021年1月17日
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著者
佐藤 友香(管理栄養士)
1992年生まれ、福島県出身、東京都在住。1児の母。大学卒業と同時に管理栄養士の資格を取得後、保育園にて勤務。離乳食、乳幼児食、アレルギー食に携わり、栄養相談や食育活動も得意分野。現在はフリーランスとして栄養に関するコラム執筆を中心に活動。