【2月25日はプリンの日】喫茶店の定番スイーツ「プリン」の歴史と豆知識
最近は昔ながらの固めのプリンが注目されていますよね。プリンやヨーグルトなどの乳製品を販売しているオハヨー乳業株式会社は「多くの人にプリンを食べて笑顔になって欲しい」という思いを込めて、毎月25日をプリンの日に認定しています。そこで今回は、身近なスイーツ「プリン」の歴史や豆知識をご紹介します。
2022年02月25日
プリンの歴史
発祥はイギリス
プリンは正式にはプディングと言い、諸説ありますが16世紀頃のイギリスで誕生しました。当時は大航海時代であり、船乗りたちが食材を無駄にしないために、肉や野菜の切れ端、パンくずなどを卵液と一緒に蒸し焼きにしたものがプディングのはじまりです。 日本ではカスタードプディングのことをプリンと呼ぶことが多いのですが、イギリスでは甘いスイーツ以外にも、肉などを加えたおかずになるようなプディングもあります。
日本に伝わったのは江戸時代後期から明治時代の初期
元々は船乗りが考えた料理でしたが、後に船以外の場所でも作られるようになり、次第に日本人にとって馴染みのあるスイーツ系のものなどバリエーションが増え、イギリス以外の国でも食べられるようになりました。 1872年に発売された西洋料理通という料理本に「ポッディング」という名前でプリンが紹介されていたことから、日本にプリンが伝わったのは江戸時代後期から明治時代の初期であるとされています。当時の日本人にはプディングがポッディングに聞こえたそうです。諸説ありますが、ポッディングが言いにくいため、プリンと呼ぶことが定着したと言われています。
誰かに話したくなる!プリンの豆知識
イギリスのクリスマスにプリンは欠かせない!
イギリスでは12月25日のクリスマスは、家族と食卓を囲み食事を楽しみます。この食事の最後に出されるのがクリスマスプディングです。 小麦粉、牛脂、卵、砂糖、ラム酒、ブランデー、ドライフルーツ、ナッツなどを混ぜ合わせて焼き、クリスマス当日まで冷たい場所で保管して熟成させます。クリスマス当日に再度蒸して温め、ブランデーやラム酒をかけて火をつけると、クリスマスプディングが青い炎に包まれます。イギリスでは、各家庭でクリスマスプディングのレシピが先祖代々受け継がれているのです。
カスタードプリンはフランスで誕生
日本で一般的にプリンと呼ばれているカスタードプリンが誕生したのは、プディングの発祥地イギリスではなくフランスです。カスタードプリンは18~19世紀頃に誕生し、フランスではCrème renverse(クレーム・ランヴェルセ)と呼ばれています。renverse(ランヴェルセ)は「ひっくり返した」という意味で、出来上がったものを逆にしてお皿に盛り付けることから名付けられました。
プリンは固め方の違いから2種類に分けられる
プリンには、卵に含まれているたんぱく質を加熱変性させて固めているものと、ゼラチンや寒天などの凝固剤を使って冷やし固めているものとの2種類があります。 材料の配合によって食感に違いが出るものの、卵で固めているプリンはなめらかな食感なのに対して、凝固剤で固めているプリンはぷるんとした食感が楽しめます。購入する際は原材料を見ると、どちらの方法で固めているのか分かりますので確認してみてくださいね。
プリンを作ってみよう!おすすめレシピ
フライパンで作るプリン
卵を使って固めるタイプのレシピです。フライパンで蒸し焼きにするので、オーブンがなくても作れます。余熱で火を通すことで、なめらかな食感が楽しめます。 ▶「フライパンで作るプリン」のレシピはこちら!
甘酒豆乳プリン
ゼラチンで冷やし固めるプリンのレシピです。卵を使っていないので、卵アレルギーの方でも◎。甘酒の風味と黒蜜が良く合う和風のプリンです。 ▶「甘酒豆乳プリン」のレシピはこちら!
まとめ
不動の人気を誇るプリン
プリンの歴史や豆知識をご紹介しました。株式会社モンテールが2007年より毎年行っている調査によると、「スーパー・コンビニでよく買うスイーツ」の中で、プリンは13年間連続で2位になっているそうです。それほど、私たちにとって身近なスイーツであると言えます。 なめらかな食感や、最近流行している固めの食感など、私たちを魅了し続けるプリンを食べて、笑顔の時間を過ごしていきましょう。 【参考文献】 ・総務省統計局 なるほど統計学園/今日は何の日?/2月25日 プリンの日 (https://www.stat.go.jp/naruhodo/c3d0225.html)※閲覧日:2020年12月20日 ・モンテール/スーパー・コンビニ スイーツ白書 2020 (https://www.monteur.co.jp/storage/news/20200309.pdf)※閲覧日:2020年12月20日 ・マグロンヌ・トゥーサン=サマ(2005)『お菓子の歴史』吉田春美訳,河出書房新社 ・猫井登(2016)『お菓子の由来物語』幻冬舎
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著者
河村 桃子(管理栄養士)
管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。