【長野県の郷土食】信州そばのルーツとおいしさの理由とは?
「信州そば」が長野県の郷土食として根付いたのには、長野県特有の気候や風土が関係しているようです。そばの生産量は北海道に次いで全国2位を誇り、さらに長野県は「そば切り」の発祥の地とも言われています。良質で香り高いおいしさが魅力の「信州そば」について、その歴史や「そば切り」のルーツについてご説明します!
2020年12月19日
「信州そば」って?
一般的には、長野県で栽培され食べられているそばの総称です。長野県信州そば協同組合では、『長野県内で製造されたそば粉を40%以上配合した良質な干しそば』を「信州そば」と認定しています。「信州そば」と認められたそばには、平成9年に商標登録されたロゴマークが使用されていて、目印となっています。
長野県と「そば」
「そば」の栽培が広まった背景
中国から対馬を経由して日本に伝わってきたそばは、長野県では5世紀ごろ(古墳時代)からすでに栽培が始まっていたそうです。夏場の平均気温は25度程度と冷涼で、昼夜の温度差が大きい長野県では、米や小麦の栽培がしづらいことから、適した農産物として「そば」が栽培されました。 さらに冷害などで水稲の収穫量が減ってしまうことがあったため、それを補うために徐々に栽培は拡大していきました。
「そば切り」発祥の地
信州は、「そば切り」発祥の地と言われています。「そば切り」とは、現代では「そば」といったら当たり前にイメージする、麺食としての食べ方のことで、ハレの日のもてなしとして今から数百年前の江戸時代に誕生したそうです。 そばの栽培は古墳時代から始まっていたとされているので、「そば切り」の食べ方が誕生するまでの長い間、そばの実をそのまま食べる「そば米」や、そばの実を砕いてお湯でこねた「そばがき」として食べられていたそうです。
「信州そば」の魅力!
信州そばの魅力は、「そば粉のおいしさ」と「水のおいしさ」が合わさってこそできる、『良質で香り高い風味』です。「霧下そば」と言われるように、標高700m前後の高冷地では、霧が霜の発生を抑えて、さらに昼夜の寒暖差が大きいことで、でんぷんがしっかりと熟成したおいしいそばを栽培することができます。 良質で香り高いそば粉と、おいしい水から作られた「そば切り」は、茹で上がったあとキンキンに冷えたたっぷりの水で締められ、そのおいしさがさらに増します。 【炭水化物は我慢しない!】ダイエット中でも「そば」がOKな理由って?
「そば」のひと口メモ
「そば湯」はなぜ身体によいの?
「そば湯」(そばの茹で汁)は、そばを食べたあとに飲むと身体によいとされ、そば屋さんでも出してくれることが多いですよね。 そばは栄養価が高く、良質なたんぱく質や食物繊維、ビタミンB1、ビタミンB2などが豊富ですが、その多くが水溶性のため、茹で汁の中に溶け出してしまっています。そこで「そば湯」を飲むことで、その成分までしっかりと無駄なく摂取することができるのです。 【管理栄養士が解説!】太らないパスタの選び方とは?
まとめ
長野県の郷土食「信州そば」は、10月から11月頃が「新そば」のおいしい時期です。長野県へ足を運んで、その良質で香り高い風味を味わってみてはいかがでしょうか?ぜひ「そば湯」も飲んでみてくださいね。 【参考文献】 ・長野県/知ってる?信州農産物/そば 閲覧日:2020年10月10日 (https://www.pref.nagano.lg.jp/nosei/sangyo/nogyo/shinshu/nosanbutsu.html#soba) ・信州ワイルドキャラバン/信州そばとは?蕎麦の種類と産地 閲覧日:2020年10月10日 (http://shinshu.jp.net/wild/food/soba_variety.html) ・長野県公式観光サイト/なぜ信州そばは、旨いのか 閲覧日:2020年10月10日 (https://www.go-nagano.net/theme/id=11450#:~:text=%E5%86%B7%E6%B6%BC%E3%81%AA%E6%B0%97%E5%80%99%E3%82%84%E7%8B%AD%E3%81%84,%E3%81%8C%E5%90%84%E5%9C%B0%E3%81%AB%E6%AE%8B%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82)
【やせ習慣が身につく】管理栄養士が食生活をコーディネートするアプリって?
まずは無料でスタート♪食事を撮るだけ、プロから食事のアドバイスが届く!
- 専属の管理栄養士がダイエットをサポート
- 食制限なし!正しく食べて身につく「やせ習慣」♪
- 管理栄養士が、写真を目で見て丁寧にアドバイス。AIではありません!
- 「あってるかな?」そんな食事のお悩みを正しい知識でアドバイス
著者
佐藤 友香(管理栄養士)
1992年生まれ、福島県出身、東京都在住。1児の母。大学卒業と同時に管理栄養士の資格を取得後、保育園にて勤務。離乳食、乳幼児食、アレルギー食に携わり、栄養相談や食育活動も得意分野。現在はフリーランスとして栄養に関するコラム執筆を中心に活動。