【11月30日はそばの日】知らなきゃ損!一度は食べたい日本各地の「ご当地そば」

【11月30日はそばの日】知らなきゃ損!一度は食べたい日本各地の「ご当地そば」

日本の伝統食のひとつである「そば」は、その土地によって食べ方が様々です。そのため、旅先で個性的なそばを発見すると、食べたくなることがありますよね。そこで今回は「そばの日」にちなんで、日本各地のご当地そばを紹介します!

2022年11月30日

そばの日とは?

江戸の商人の風習にちなんで制定

11月30日に限らず、毎月の末日を「そばの日」として日本麺業団体連合会が制定しています。江戸の商人たちが商売繁盛の縁起物として、毎月末日にそばを好んで食べていた風習が由来です。細くて長い形状から、身代(家の財産)が長続きするようにという願いを込めて、月末にそばを食べていたそうです。

そばの起源

「そば切り」として食べるようになったのは江戸時代

私たちが普段「そば」と呼んでいるのは「そば切り」のことで、そばの実を砕いて粉状にし、水を加えてこね、細く線状に切った食品のことです。 縄文時代の遺跡からそばの実の花粉が発見されていることから、日本での栽培の歴史は長いものの、当時は粥にしたり、粉にして練って作るそばがきとして食べられていました。 昔から食べていたイメージの強いそば切りですが、食べるようになったのは江戸時代からと言われています。江戸時代中期になると、そばの人気が高くなったことから、大衆向けの蕎麦屋がたくさん出来たそうです。

日本三大そば

戸隠そば

長野県戸隠地区で作られているそばで、麺はそばの実の甘皮をとらずに挽いた「挽きぐるみ」というそば粉を使用しています。黒っぽい見た目をしており、独特の歯ごたえと豊かな香りが感じられます。根曲り竹で編んだ円形のザルに、一口サイズに束ねたそばを5束から6束盛り付ける「ぼっち盛り」という盛り付けが特徴です。

出雲そば

島根県出雲地方のそばで、戸隠そば同様に挽きぐるみのそば粉を使用しています。割子そば、釜揚げそばと言った独特の食べ方が特徴です。 割子そばは、丸い漆器にそばを盛り三段に重ねて提供され、薬味を盛り直接そばつゆをかけて食べます。釜揚げそばは、茹でたそばを洗わずに器に入れ、とろみのあるそば湯を張った状態で提供され、好みの濃さになるよう自分でそばつゆを入れて食べます。

わんこそば

岩手県盛岡市、花巻市に伝わるそばで、かつてはハレの日の振る舞い料理として食べられていました。小分けにした一口量のそばを食べ終えると、給士さんが手元のお椀に継ぎ足していってくれます。継ぎ足しは手元のお椀の蓋を閉めるまで続きます。小分けにしたそばは、10〜15杯でもりそば1人前に相当します。

たくさんある!日本各地のご当地そば

板そば(山形県)

山形県の内陸部で食べられており、大きな木箱に2〜3人前のそばを平たく盛り付けて提供されます。そばは太打ちの黒っぽい田舎そばです。

へぎそば(新潟県)

米所で有名な新潟県魚沼地方のそばで、片木(へぎ)と呼ばれている板状の器に盛られて提供されます。そばのつなぎに布海苔という海藻を使っているため、独特のコシのある食感が特徴です。

とうじそば(長野県)

長野県の奈川村(現:松本市)に伝わるそばで、竹製の「とうじかご」にゆでたそばを入れ、野菜やきのこがたっぷり入った熱々のつゆにくぐらせてから食べます。この食べ方は、寒い時期でもそばを美味しく食べるために編み出された方法と言われています。

出石そば(兵庫県)

兵庫県豊岡市で食べられている出石(いずし)そばは、「皿そば」と言って、少量のそばを出石焼の小皿に盛り付け提供されるのが特徴です。卵、とろろ、葱、大根おろしといった薬味が添えられています。

瓦そば(山口県)

山口県下関市が発祥で、その名の通り熱々の瓦の上に茶そばと錦糸卵や肉などの具材をのせて提供され、梅雨につけて食べるスタイルのそばです。瓦に接している麺はパリパリと、その上の麺はモチモチとした2種類の食感が楽しめます。

まとめ

そばを食べに全国を旅しよう!

そばの日にちなんで、そばの歴史や日本三大そば、日本各地のご当地そばをご紹介しました。他にも東京には江戸時代から続く「更科そば」、「砂場そば」、「藪そば」といった江戸蕎麦御三家があり、全国には今回紹介しきれなかったご当地そばがたくさんあります。 毎月末日はそばの日ですので、全国の美味しいご当地そばを食べる旅を計画するのも面白そうですね。 【参考文献】 ・総務省統計局/なるほど統計学園/今日は何の日?/11月30日 そばの日  (https://www.stat.go.jp/naruhodo/c3d1130.html)※閲覧日:2020年9月21日 ・全国製麺協同組合連合会/日本そば (https://zenmenren.or.jp/raw_noodle_iroiro/japanese_soba/)※閲覧日:2020年9月21日 ・そばうどん編集部(2018)『そばうどん知恵袋111題』柴田書店 ・新島繁(2011)『蕎麦の事典』講談社学術文庫

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著者

河村 桃子(管理栄養士)

管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。


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