【香川県のご当地食材】オリーブの歴史と魅力を管理栄養士が解説!
香川県のご当地食材であるオリーブ。オリーブオイルとして料理に使ったり、オリーブの実を食べるイメージですが、実は料理だけでなく、さまざまな用途で活用されています。そこで今回は、知られざるオリーブの活用法や歴史について、ご紹介します!
2021年10月26日
オリーブの基礎知識
オリーブの歴史
1908年、農商務省が香川県・三重県・鹿児島県の3県で1.2ヘクタールの規模でオリーブの試験栽培をおこない、1910年、香川県の小豆島でオリーブが開花しました。3県の中でも、オリーブの試験栽培が成功したのでは香川県のみであり、現在でも国産オリーブの96%は香川県で栽培されています。 1913年になると小豆島西村にオリーブ果実乾燥場・磨砕器・採油器が設置され、大正時代は国産グリーンオリーブが製造・販売されるようになり、オリーブオイルも髪油として発売されていました。 昭和に入るとますますオリーブの栽培は盛んになり、1954年にはオリーブは香川県の県花に、1966年には県木に制定されました。その頃には、安価な輸入オリーブオイルが市場に出回るようになり、香川県のオリーブの栽培面積・果実生産量は減退しましたが、平成に入ると第2次オリーブオイルブームが起こり、また生産量が増加しました。 2011年になると小豆島町役場にオリーブ課が設置され、オリーブハマチやオリーブ豚などのオリーブ関連商品が市場に増えていきました。現在では、小豆島のほか、高松市、坂出市、さぬき市などさまざまな地域でオリーブが栽培されるようになっています。
オリーブの種類
オリーブの品種は、世界では約1600以上もあり、香川県ではそのうち約60品種が導入されており、中でも4品種が主に生産されています。 ・ミッション:アメリカのカリフォルニア州で発見されたスペイン系品種で、農商務省の試験栽培時に植栽されました。最も主要な品種で、用途は果実加工用・油用です。 ・ルッカ:アメリカから導入された油用の品種で、油分含量が多く、品質がよいのが特徴です。 ・マンザニロ:スペイン原産の果実加工用品種で、世界中で多く栽培されています。栽培が容易で収穫量が安定しており、加工用として人気です。 ・ネバディロブランコ:スペイン原産の油用の品種で、観賞用としても多く生産されています。
オリーブの加工法と関連商品
香川県で収穫されたオリーブは、主に新漬けとオイルに加工されています。新漬けはそのまま食べるのはもちろん、サラダやパスタなどに入れて美味しく食べることができます。また、オリーブオイルは風味がよく、イタリアンをはじめとしたさまざまな料理に使われていますし、食用以外にも化粧品やヘアケア・ボディケア用品、お菓子・加工食品などにも取り入れられています。 さらに、オリーブの採油後の果肉やオリーブの葉や枝、木も無駄なく生かされています。例えば、採油後の果肉や葉を乾燥させて飼料とし、その飼料で育った家畜や魚介類は「オリーブ牛」「オリーブ豚」「オリーブ地鶏」「オリーブマダイ」「オリーブハマチ」などの名前で売り出されています。 オリーブの果肉や葉には抗酸化作用があり、その飼料で育てることで変色・酸化がしにくくなるといわれています。木や枝は雑貨や家具に加工されたり、燻製用の木材などとしても使われています。
オリーブの栄養効果
オレイン酸で生活習慣病予防!
オリーブには一価不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸が多く含まれています。オレイン酸には、血中の善玉コレステロールを下げることなく、悪玉コレステロールだけを下げる働きがあり、生活習慣病予防に効果が期待できます。オレイン酸は酸化しにくく加熱にも強いため、炒め物などにもおすすめです。 【ビタミンCが豊富!】健康と美容に効く「れんこん」のおすすめレシピ
ビタミンEで老化予防&血行改善!
オリーブに含まれるビタミンEは抗酸化作用があり、細胞の老化を抑えることでアンチエイジングに効果的といわれています。さらに、ビタミンEには血液の流れを促す働きがあり、血行不良による冷え性や肩こり、腰痛などの予防・改善にも効果が期待できます。 【身体の中からぽかぽか!】冷え性改善に効果的な食生活のポイント
まとめ
オリーブを堪能してみませんか?
いかがでしたか? オリーブは食品としてだけでなく、化粧品や飼料などさまざまなところで活躍している、素晴らしい植物です。オリーブ栽培発祥の地である小豆島では、採れたてのオリーブを楽しめる料理やオリーブオイルをつかったエステなどを体験できるそうです。 訪れる機会があれば、ぜひオリーブを堪能してみてはいかがでしょうか。 出典:香川県 オリーブ 株式会社ぐるたび アクセス日:2020年9月5日 (https://gurutabi.gnavi.co.jp/i/i_3106/) 香川県のオリーブオイル 一般財団法人かがわ県産品振興機構 アクセス日:2020年9月5日 (https://www.kensanpin.org/olive)
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著者
藤井 歩(管理栄養士)
大学卒業後、給食委託会社・健康関連企業での勤務を経て、現在はフリーランスの管理栄養士としてオンラインでの栄養指導業務、特定保健指導、コラム執筆など栄養関係の様々な業務に携わっています。