【千葉県のご当地食材】明治から続く歴史と「落花生」の豆知識
千葉県の名産品の1つ「落花生」。名産品となるまで、千葉県と落花生の歴史は明治時代までさかのぼります。国産の落花生は、特別な日の贈答用としても宣伝されるほど、質のよいものです。おいしくて栄養も抜群、そんな名産品を生んだ千葉県との歴史と、落花生の魅力についてご紹介します♪
2020年09月11日
落花生は輸入が9割
現在日本国内で流通している落花生は、およそ9割は外国産で、さらにそのほとんどが中国産、ついでわずかにアメリカ産やシンガポール産となっています。そのため、国産の落花生は外国産の落花生に比べて、5倍以上も値がつくこともあります。 畑でゆっくりと自然乾燥された国産の落花生は、その味と品質のよさが魅力で、消費者から高い支持を得ているそうです。 ※農林水産省 農林水産物輸出入統計/貿易統計(輸入)調査年月日2016年9月 より引用して作成
国内収穫量トップは千葉県!
日本国内の都道府県別の収穫量を見てみると、千葉県が8割以上を占めていることがわかります。 落花生は、日本には江戸時代初期にヨーロッパからの貿易船によって伝わったとされています。その後明治9年、落花生の試作にいち早く取り組んだのが、千葉県の山武郡南郷町(現在の山武市)の農家だったそうです。 ※農林水産省 統計表 作物統計(令和元年産)調査年月日2019年 より引用し作成
千葉県と落花生の歴史
砂地に強い落花生
明治10年になると、当時の千葉県知事は、県民に落花生の栽培を勧めました。特に干潟(現在の旭市)付近はひどい砂地で、適した作物がなかったのですが、落花生はやせた土地に強い作物だったからです。 その後も、匝瑳郡鎌数村(現在の旭市)の戸長が、落花生の栽培と販売に力を尽くした結果、旭市を中心として千葉県での落花生の栽培がみるみる進んでいったのです。
次第に八街市での栽培が盛んに
しかし、大正、昭和と時代が進む中で、旭市の畑では干ばつの被害を受けて収穫量が減少してしまいました。そしてより悪条件に強い品種を中国から手に入れ、その種を使った八街市付近の収穫が安定し、次第に栽培面積が増えていきました。 そして千葉県では、落花生を名産品とするべく、在来種の改良に取り組み、完成した3品種の栽培面積はぐんと広がっていき、千葉県だけでなく、茨城県をはじめ全国にも広がりました。
優良品種「千葉半立(はんだち)」の誕生
昭和27年になると「千葉半立」が育成され、栽培が比較的簡単で収穫量も高く安定していたことから、千葉県全域に広がっていき、落花生は『千葉県の名産品』として知られるようになりました。 この「千葉半立」は、昭和28年には千葉県の奨励品種に採用され、現在でもこの「千葉半立」の作付面積は全体の66%を占めているそうです。
落花生の豆知識
名前の由来は?
落花生は、「花」が散って「落」ちた後に、花の付け根から子房柄(しぼうへい)というひげ根が伸び、土に潜ります。そして土の中で実がなる(生まれる)ことから、その名がつきました。 千葉県での落花生栽培を進めている時、「地上に咲いた花が地下で実るのは縁起が悪い」といわれることもあり、なかなか広まらなかったこともあったそうです。 【ぷちぷち食感と甘みが魅力!】島根県のご当地フルーツ「多伎いちじく」とは?
栄養価は抜群!
落花生には、細胞を活性化して老化防止に効果が期待できる「ビタミンE」や、血中の悪玉コレステロールを減少させる効果が期待できる「オレイン酸」、動脈硬化や肥満の防止にも効果が期待できる「ポリフェノール」などのさまざまな栄養が豊富です。 さらにアルコールの分解を助ける「ナイアシン」も含まれているので、おつまみとしてもおすすめの優れた食材です。 【東京のご当地果物】稲城市の「梨」はシャキシャキ食感とジューシーさが魅力!
まとめ
千葉県が落花生の名産品となるまでには、明治時代からの県民の知恵や努力があったようですね。 炒ったり、乾燥したり、茹でたりしたものも多く売られていて、旬があまり知られていませんが、落花生の旬は9月下旬頃から11月頃です。栄養価が高く品質も抜群な「千葉県産」の落花生、ご褒美として晩酌のお供に用意したら、最高の癒やしが味わえそうですね! 【参考文献】 ・千葉県/落花生|旬鮮図鑑/千葉の落花生 (https://www.pref.chiba.lg.jp/ryuhan/pbmgm/zukan/kome/rakkase.html)閲覧日:2020年7月16日 ・千葉の落花生ちば物産/落花生畑の1年 (http://www.chiba-b.com/farms/index.html)閲覧日:2020年7月16日 ・農林水産省/e―Stat 政府統計の総合窓口(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500215&tstat=000001013427&cycle=7&year=20190&month=0&tclass1=000001032288&tclass2=000001032753&tclass3=000001137506&stat_infid=000031956892)閲覧日:2020年7月21日
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著者
佐藤 友香(管理栄養士)
1992年生まれ、福島県出身、東京都在住。1児の母。大学卒業と同時に管理栄養士の資格を取得後、保育園にて勤務。離乳食、乳幼児食、アレルギー食に携わり、栄養相談や食育活動も得意分野。現在はフリーランスとして栄養に関するコラム執筆を中心に活動。