【美の秘訣は腸にあり♪】善玉菌を増やすメリットって?
腸活という言葉も広く知られるようになっているほど、最近注目を浴びているのが「腸」。腸内環境を整えて善玉菌を増やすることは美と健康の面ではたくさんのメリットがあり、腸内環境を意識した食生活を送っている方の割合も増えてきています。そこで今回は、今さら聞けない腸内環境を整えるメリットや善玉菌を増やす食事について改めて解説します。
2022年09月24日
腸内細菌とは?
腸内細菌の様子が腸内フローラ
腸内細菌とは文字通りに腸内に生息している細菌のことで、1000種類もの菌が約100兆個も生息しています。腸の中で腸内細菌は群れになって生息しており、この群れのことを腸内フローラ、または腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と言います。 顕微鏡で腸の中を覗くと、その様子がまるでお花畑のように見えるため腸内フローラと呼ばれるようになったそうです。腸内フローラは一人一人違っており、腸内細菌の様子が健康状態を左右すると言われています。
腸内細菌は大きく3種類に分けられる
腸内細菌には、便の排泄や栄養素の吸収を良くするなど体にとって良い働きをする善玉菌や、便の排泄を滞らせる、栄養素の吸収を悪くするなど体にとって悪い働きをする悪玉菌、どちらにも属さない日和見(ひよりみ)菌の3種類に分類されます。 代表的な善玉菌は乳酸菌やビフィズス菌、悪玉菌はウェルシュ菌や大腸菌です。日和見菌は腸内環境が良いときにはおとなしいのですが、体が弱ったりするなど腸内環境のバランスが崩れると、悪玉菌の味方になり悪い働きをします。
理想的な腸内細菌のバランスは「2:7:1」
健康な人の腸内細菌の割合は、善玉菌20%、日和見菌70%、悪玉菌10%と悪玉菌よりも善玉菌の方が多い状態です。このバランスは常に一定ではなく、偏った食事やストレス、睡眠不足、加齢、抗生物質の服用などが原因で腸内環境が乱れると悪玉菌が優位になり、下痢や便秘を引き起こします。 さらには悪玉菌によって作られた有害物質により、ガンなどの病気のリスクが高まるとも言われています。これらのリスクを防ぐためにも、日頃から善玉菌を増やして腸内環境を整えることが大切です。
善玉菌を増やすメリットとは?
整腸作用
悪玉菌が増えると腸内に便がたまる、下痢を引き起こすなど腸内環境の乱れが生じます。善玉菌を増やすことで悪玉菌の働きを抑えることができ、便を排泄しやすい環境になります。
免疫力の向上
免疫細胞の約7割は腸内にあり、細菌やウィルスから体を守っています。善玉菌を増やして腸内環境を良くすることで免疫力が向上し、風邪やインフルエンザなどから守ってくれる効果が期待できます。
美肌作用
悪玉菌が腸内で増えると有害物質を産生しますが、この有害物質は肌荒れや吹き出物の原因となります。善玉菌が増えることで有害物質の産生を抑え、肌への負担が少なくなります。また、善玉菌が増えることで栄養素の吸収率が良くなり美肌へと導いてくれます。
肥満や生活習慣病の予防
正常な体型の人と太っている人とでは腸内細菌のバランスが異なります。正常な体型の人は善玉菌が多く、太っている人は悪玉菌が多い傾向にあります。 また、最近では悪玉菌が多いと糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を発症するリスクが高くなるとの報告もあり、善玉菌を増やすことは肥満や生活習慣病のリスクを予防することにも繋がります。
ストレスを緩和
腸内の善玉菌が多いと副交感神経が優位になりやすくなります。副交感神経は心身ともにリラックスさせてくれますので、善玉菌が増えることでストレスを緩和してくれます。
善玉菌を増やす食事とは?
腸に有益な菌を届ける「プロバイオティクス」
善玉菌を増やし、腸内環境を良くするためには腸に有益な働きをしてくれる細菌や、その細菌が含まれている食品を摂ることです。これらをプロバイオティクスと言い、乳酸菌やビフィズス菌などのような細菌そのものや、ヨーグルト、納豆、ぬか漬け、キムチなどの発酵食品のことを言います。
プロバイオティクスは自分に合ったものを毎日摂る
プロバイオティクスにはたくさんの種類があります。また、腸内細菌のバランスも人によって異なり、どのプロバイオティクスが自分にとって有効なのかは人によって違います。 まずは同じプロバイオティクスを2週間ほど続けて摂り、便の状態などが改善されるかどうかを見てみましょう。改善されていれば自分に合っているものですので、その後も継続的に摂りましょう。
善玉菌の栄養源「プレバイオティクス」
プロバイオティクスとともに一緒に摂って欲しいのがプレバイオティクスです。プレバイオティクスとは、善玉菌の栄養源となってプロバイオティクス の働きを助ける物質のことです。プレバイオティクスには玉ねぎやごぼう、キャベツなどに含まれるオリゴ糖や、穀類や野菜、きのこなどに含まれる不溶性食物繊維、果物や海藻類、こんにゃくなどに含まれる水溶性食物繊維があります。
善玉菌を増やすにはシンバイオティクスを意識した食事を
プロバイオティクス × プレバイオティクス = シンバイオティクス
プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に含んだもの、またはそれぞれを同時に摂ることをシンバイオティクス と言います。最近ではより効率的に善玉菌を増やせる方法としてシンバイオティクス を意識した食事が推奨されています。
シンバイオティクスは毎日の食事に簡単にとり入れられる◎
シンバイオティクス と言うと何だか難しそうな気がしますが、毎日の食事を少し意識するだけで簡単に取り入れることが出来ます。 例えば、 プロバイオティクスのヨーグルトにプレバイオティクスのバナナやオリゴ糖を加える、プロバイオティクスの納豆を食物繊維の豊富なプレバイオティクスである玄米や雑穀米と一緒に食べるなど。 プロバイオティクスの味噌とシンバイオティクス の海藻やきのこ、野菜を入れた味噌汁など、普段食べている食事の組み合わせを少し意識するだけで簡単にとり入れることが出来ます。
まとめ
毎日の便を観察して腸内環境をチェック!
腸内環境のバランスをチェックするには毎日の便を観察することです。便は80%が水分で、残りの20%のうち1/3が食べたもののカスで、1/3が剥がれた腸の粘膜、1/3が腸内細菌です。黄色から黄色褐色のバナナ状で臭いがきつくない便であれば善玉菌が優位の腸内環境で、それ以外では腸内環境のバランスが崩れている状態です。日々の食事から善玉菌を増やすとともに、毎日の便の状態から自分の腸内環境を確認して善玉菌が優位な腸を作りましょう。
【やせ習慣が身につく】管理栄養士が食生活をコーディネートするアプリって?
まずは無料でスタート♪食事を撮るだけ、プロから食事のアドバイスが届く!
- 専属の管理栄養士がダイエットをサポート
- 食制限なし!正しく食べて身につく「やせ習慣」♪
- 管理栄養士が、写真を目で見て丁寧にアドバイス。AIではありません!
- 「あってるかな?」そんな食事のお悩みを正しい知識でアドバイス
著者
河村 桃子(管理栄養士)
管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。