【管理栄養士が解説】梅を使った【万能エキス】の健康パワーとは?
腹痛や風邪、何となく不調な時にひとさじの梅エキス。酸っぱさで体が目覚めた経験はないでしょうか?健康食品として販売されている「梅エキス」ですが、ご自宅でも作ることができます。梅エキスのレシピと健康パワーを管理栄養士がお伝えします。
2016年06月05日
デトックス効果やアンチエイジングにもいいと注目の「梅エキス」。腹痛や風邪など何となく不調な時ににも効果がある、昔ながらの万能薬として知られています。今回はそんな「梅エキス」の効果と自宅で作れるレシピをご紹介します。
伝統の健康食品「梅エキス」って?
「梅エキス」とは、青梅をすりおろした搾り汁を煮詰めてできた液体のことをいいます。まるで黒い水あめのようですが、このうちの50%がクエン酸。ちょっとなめるだけで、顔中の筋肉が収縮するくらいすっぱいです。 梅エキスには、梅干しと同じような健康パワー成分が凝縮されています。梅干しと違い、加熱して作るため「ムメフラール」という梅干しにはない成分が加わるほか、塩分が添加されていないという点もうれしいですね。
梅エキスの6つの健康パワー
1)疲労回復、代謝アップ 梅の酸っぱさはクエン酸によるもの。糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変えるためにはクエン酸が必要です。梅エキスは梅干しの成分を凝縮したものなのでクエン酸は梅干しの約9倍。クエン酸は疲労回復効果だけでなく、疲れにくい体を作る効果も期待できますよ。 2)腸内環境の改善 酸っぱい味のとおり、酸が強いため腸内の悪玉菌を抑制する働きがあります。便秘予防におすすめです! 3)二日酔いの予防や胃腸の強化 梅に含まれている「ピクリン酸」には、肝機能を高める効果があります。また梅干しに含まれる梅リグナンやクエン酸が胃の悪玉菌を抑制するほか、胃腸の粘膜を保護する働きがあるため、お酒を飲む前に梅エキスなめると二日酔いの予防に効果があるといわれています。 4)血栓予防 梅を加熱することで生まれる「ムメラール」という成分により、血栓予防、血流改善が期待できます。
旬の梅で「梅エキス」を作ってみよう!
梅は酸が強いため、鍋やおろし金、保存容器は金属製ではない陶器やホーロー、ガラス製のものを使いましょう。ミキサーを使用した場合はすぐに洗浄、乾燥するようにすることをおすすめします。
おなかイタにはこれ!◆梅エキス◆
ミキサーde…「梅肉エキス」
梅エキスを摂り入れるポイント>
使う時は、清潔なスプーンですくってください。そのままなめたり、湯や炭酸で割ったり、お料理にも使える万能エキスですが、酸が強いため一度にたくさん食べ過ぎないようにしましょう。梅エキスは市販もされていますが、市販のものでは、付属の小さいスプーンひとすくい(1~3g程度)を1回の目安量にしています。1kgの梅からわずか20g程度しか作ることができない貴重な梅エキス。毎日ちょっとずつ摂り入れるのがいいですね。
まとめ
6月は青梅の旬。梅干しや梅酒、梅エキスなど、いわゆる梅仕事のシーズンになります。ぜひ、この機会に手作りの梅エキス作りにトライしてみては?
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著者
水谷 俊江(管理栄養士)
南米、北米で10年間生活した中で、改めて日本人の食文化の偉大さを感じました。美容クリニックでのダイエット指導、特定保健指導での相談業務に携わり、現在では「食」をテーマにしたコラムを執筆しております。世界の食文化と同じように、お一人お一人のお食事の環境や歴史は異なります。今の生活の中で無理なく太る習慣が改善できる方法をオートクチュールで提供いたします。