【管理栄養士が解説!】本場イギリスでも認められた「和紅茶」の魅力

【管理栄養士が解説!】本場イギリスでも認められた「和紅茶」の魅力

紅茶と聞くと、インドやスリランカをイメージする方も多いですよね。実は、日本国内でも紅茶が生産されています。日本の紅茶は、海外のものに比べ、マイルドな味わいが特徴です。今回は、日本で作られる「和紅茶」の魅力を解説していきます。

2022年10月23日

紅茶は緑茶と同じ樹から作られている

違いは加工方法

紅茶とお茶はいずれも同じ樹(茶樹)になる葉から作られています。茶葉を発酵せずに作るお茶に対して、茶葉を発酵させて作るのが紅茶です。

味の決め手は「茶樹のセレクト」

茶樹には「やぶきた」などさまざまな品種があるのをご存知でしょうか。この樹の品種の違いによって、味や香り、水色が変わってくるのです。 紅茶に使われる茶樹の代表として「べにふうき」「べにほまれ」「べにひかり」などがあり、「べに」がつくものは紅茶向けの品種とされています。紅茶を淹れた時に、水の色が赤褐色のものは、ミルクティーや脂肪分の多い料理に合います。水の色が明るい山吹色やオレンジ色のものは、香りを楽しむのにおすすめです。 「やぶきた」「在来種」などの品種は、渋みが少なく、和菓子によく合います。

「和紅茶」とは

紅茶栽培の歴史

日本では、明治初期に紅茶が生産されるようになりました。しかし、昭和46年紅茶輸入自由化によって、日本での紅茶の生産は衰退していきます。平成になるとお茶離れなどもあり、お茶農家たちが紅茶を特産品にしたいと考え始め、再び日本で紅茶の生産が始まります。

いろいろな呼び方がされる日本の紅茶

日本で作られる紅茶は「和紅茶」「地紅茶」「国産紅茶」と呼ばれています。この3つには、どのような違いがあるのでしょうか。 ・和紅茶 日本で作られる紅茶のこと指します。和と聞くと、日本を連想しやすいことから、和紅茶の名前で商品化するメーカーも多く、和紅茶飲料が増えてきています。料理で例えると和食のようなイメージです。 ・地紅茶 地域や地元、地方で作られた紅茶を指し、地域づくりや地域活性化の対象として生まれた紅茶を指します。料理で例えると郷土料理のようなイメージです。 ・国産紅茶 国策で作られた紅茶を指し、料理で例えると日本料理のイメージです。

イギリスで認められた鹿児島の和紅茶

三ツ星金賞を獲った鹿児島の紅茶

お茶の産地である鹿児島では、美味しい地紅茶を作るために研究が重ねられてきました。かつおの産地である枕崎では、平成14年に「べにふうき」の誕生を機に再び紅茶栽培を始めます。有機栽培した「べにふうき」は、平成21年に英国で開催された「グレートテイストアワード」で、最高の「三つ星金賞」を受賞するまでになりました。その後、3年連続で金賞を受賞しており、本場イギリスでも認められている美味しさです。 枕崎の近隣で、有名なお茶産地である知覧でも紅茶は栽培されています。こちらの紅茶もイギリスの品評会で8度受賞経験があり、本格的な味を楽しめます。

近隣で作られていても味わいは違う

枕崎と知覧は、いずれも鹿児島の薩摩半島の南に位置していますが、作られている紅茶の味わいは違います。枕崎の紅茶は、ダージリンのような香気があります。爽やかな香りのなかに渋み、酸味、甘みの3つの調和がとれたマイルドな味わいです。知覧の紅茶は、華やかな香りと重厚な味わいが特徴です。渋みを感じながら喉越しの心地よさを楽しめます。

全国各地に広がる和紅茶

自分好みの地紅茶を探してみませんか

和紅茶は、全体的に渋みが少なめです。マイルドな味わいで、すっきり飲めるものが多い傾向にあります。さらに、その土地の風土や茶樹のセレクト、茶葉の発酵度合いによって味わいが違っているのです。全国の紅茶農家では、美味しい和紅茶を作るために日々研究を重ねています。今回は、鹿児島の和紅茶を紹介しましたが、自分好みの和紅茶を探してみてはいかがでしょか。 【参考文献】 ・紅茶の会/地紅茶 (https://kouchanokai.jimdofree.com/%E5%9C%B0%E7%B4%85%E8%8C%B6-locally-grown-tea/) 閲覧日:2021年7月22日 ・枕崎市観光協会/まく旅/買う/枕崎紅茶(https://makutabi.jp/buy/post-989) 閲覧日:2021年7月22日 ・全国地紅茶サミット世話人会 藤原一輝監修『ニッポンの地紅茶《完全ガイド》』(株式会社枻出版社)

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著者

酒井 葉子(管理栄養士、東京糖尿病療養指導士)

幼少期にアトピー性皮膚炎で悩み、身体の内側から見直す必要性を感じて管理栄養士に。 大学卒業後は、給食管理業務や医療機関での栄養指導に携わり、現在は保健指導やコラムの執筆に従事。食を通して、充実した毎日のサポートを行ってまいります。


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