【5 A DAY】果物と野菜の食べる量の適量とは?
野菜と果物を毎日どのくらい食べていますか?野菜と果物をきちんと食べることは長寿のために大切ですが、どんな野菜でもよいわけではないことがわかりました。どんな野菜と果物が長寿によいのか、管理栄養士が解説します!
2023年08月28日
研究結果から学ぶ
研究結果
米国ハーバード大学などによる研究チームから野菜を3サービング、果物を2サービング食べることで、死亡リスクが最も低くなり、長寿に関係している可能性があることが分かりました。 1日2サービングの野菜と果物を食べた人と1日5サービングの野菜と果物を食べる人では、全死亡リスクが低く、心臓病や脳卒中などの心血管疾患、がん、肺疾患などのリスクも低かったのです。 サービングは食事の単位です。
効果的な野菜と果物
死亡率や疾患率を下げる効果を示した野菜や果物は、ほうれん草、レタス、ケールなどの葉野菜や、柑橘系の果物、ベリー、人参などのβ-カロテンとビタミンCが豊富なものだったそうです。β-カロテン、ビタミンCともに抗酸化作用が期待できる野菜です。
関連がなかったもの
でんぷん質の野菜やフルーツジュース、じゃがいもは死亡リスクと関連していなかったそうです。
5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)について
研究者の指摘
研究者は、米国の運動である「5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)」を指示しており、主要な疾患予防に関して最も有益である可能性が高く、多くの人にとって比較的達成可能な摂取量だろうと言っています。
5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)とは?
5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)とは、米国の「野菜と果物を毎日5サービング以上食べて健康を増進しよう!」というプログラムです。サービングとは料理の分量です。
日本の「食事バランスガイド」
日本には、厚生労働省と農林水産省の合同で策定されたフードガイド「食事バランスガイド」があります。米国のサービングは日本のサービングと量が異なりますが、5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)の推奨量と「食事バランスガイド」の薦める野菜と果物の量はほぼ同じ量です。
野菜と果物を上手に取り入れてバランスUP!
「食事バランスガイド」を活用する
日本の食事スタイルに合ったガイドを活用するとわかりやすいでしょう。「食事バランスガイド」では、野菜の1サービングは、副菜(野菜、海藻、きのこ類)は小鉢1つ分です。重さだと約70g、1日5~6皿を目安に野菜を食べられるとよいです。果物はみかん1個、りんご1/2個が1サービングなので、1日2サービングを目安に食べましょう。 主食、主菜、副菜と汁物2~3皿、果物というような食事をイメージするとわかりやすいですね。
β-カロテンが多い野菜
β-カロテンが多い野菜は緑黄色野菜です。にんじん、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、パプリカなどがあります。色の濃い野菜をイメージするとわかりやすいですよ。
ビタミンCが多い野菜と果物
ビタミンCは果物だけでなく野菜にも多く含まれるものがあります。 ビタミンCを多く含む野菜は、パプリカ、ブロッコリー、菜の花などです。ビタミンCを多く含む果物は、キウイフルーツ、レモンやオレンジなどの柑橘類、いちごがあります。同じベリー類でもブルーベリーはあまり多くビタミンCを含みません。
野菜と果物を食べる量を増やすための工夫
調理法を簡単にする
調理が大変だと感じることもあるかもしれません。野菜は切るだけでなく、手でちぎっても大丈夫。トマトやレタスなど火を通さなくても食べられる野菜を選ぶこともおすすめです。 調理方法は、生食だけでなく、電子レンジやトースターで焼く、茹でて冷蔵庫にストックしておくこともよいでしょう。ライフスタイルに合わせた方法を上手に活用しましょう。
手軽に摂れる野菜やフルーツを活用する
手軽に摂れる野菜や果物といえば、カットされたものや冷凍のものではないでしょうか。冷凍のものはフレッシュなものに比べて食感などが劣ると感じることもあるかもしれません。ですが、現在の冷凍保存技術はすごいものです。栄養素が減る場合もありますが、栄養素が増える場合もあります。上手に活用することもよいでしょう。 下記に例を示します。 100g中のβ-カロテン含有量 ■ほうれん草(ゆで)5400μg ■ほうれん草(冷凍ゆで)8600μg
食事バランスを整えよう
様々なものから栄養を!
今回の研究結果では、野菜と果物、どんなものを摂るとよいかがわかりました。それらを積極的に摂りながら、芋類、糖質の多い野菜も適量摂ることは問題ありません。 主菜、主食、副菜、そして果物を食卓に並べ、健康的なライフスタイルを送ることができるとよいですね。 【参考文献】 ・LINK de DIET/長寿のための果物2つ、野菜3つ (https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=74473&-lay=lay&-Find.html)閲覧日:2021年4月18日 ・農林水産省/野菜の消費をめぐる状況について (https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai_zyukyu/y_h29_mitosi/pdf/yasai_shohi_jyokyo.pdf)閲覧日:2021年4月18日 ・厚生労働省/e-ヘルスネット情報提供/ 食事バランスガイド(基本編) (https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-007.html)閲覧日:2021年4月20日 ・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
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著者
森本 芙好(管理栄養士)
管理栄養士。体調不調をきっかけに栄養学を学ぶ。ダイエットの失敗を乗り越えた経緯から『なりたい自分』を目指す方の役に立ちたいと思い、現在は特定保健指導、コラム執筆に携わる。自身の食事テーマは、美容に良く、おいしい食事を楽しく食べること。ひとりひとりの価値観を大切に、自らを大切にするための身体にやさしい食事を提案することを目指しています。