【甘くて爽やかな美味しさ】今が旬の新茶の魅力と楽しみ方
普段から緑茶を飲む習慣はありますか?5月は新茶の季節で、全国のお茶の産地で様々な種類の新茶が摘まれています。新茶は、旨味・甘味成分の元となるテアニンが豊富で、リラックス効果も期待できるのだそうです。今回は、この季節にしか味わえない新茶の楽しみ方についてご紹介していきます。
2021年05月13日
新茶とは?
新茶とは、その年の最初の新芽を摘みとってつくられたお茶のことです。1年で最初に摘まれる「初物」や「旬のもの」として「新茶」と呼ばれています。また、一番茶と呼ばれることもあるのですが、基本的には呼び方が異なるだけで意味は同じです。 摘みとった順番によって一番茶、二番茶、三番茶、四番茶と呼びます。三番茶を摘み採らずに、秋口に摘む秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)もあります。
新茶の特徴
柔らかな新芽を使った新茶は、苦みや渋み成分の元となるカフェインやカテキンが少なく、旨味・甘味成分のテアニンが豊富に含まれています。旨味や甘味を感じながら若葉のような爽やかな香りが楽しめます。
八十八夜(はちじゅうはちや)
八十八夜とは、立春から数えて88日目の5月1~3日頃のことを言います。春から夏に移る節目の日で、この頃が茶摘みの最盛期です。この前後に摘みとられたお茶は、新茶の中でも特に旨味や甘味と共に爽やかな香りを堪能できるのだそうです。 八と八が重なることから、末広がりでとても縁起がよい日とされています。新茶を飲むと1年間、無病息災で過ごせると伝えられています。
美味しい新茶の入れ方
お茶の入れ方で美味しさが変わる!
お茶の種類によって、それぞれの美味しさを引き出す淹れ方があります。新茶でしか味わえない美味しさを楽しみましょう。
①茶葉を入れる
1人あたりティースプーン2杯程を目安にして、急須へ茶葉を入れましょう。茶葉は気持ち多めに入れると味わいが深くなります。
②沸騰したお湯を湯のみにそそぐ
新茶の適温は約70度です。沸騰したお湯を一度湯のみに入れて冷まします。一度湯のみに入れることで約10度程下げることができ、同時に湯のみを温めることができます。新茶の爽やかな香りと程よい渋みを堪能したい方は、熱めのお湯でさっとお茶を抽出するのも◎
③冷ましたお湯を急須にそそぐ
冷ましたお湯を急須へそそぎ、旨味がじっくり溶け出すまで1分程待ちます。すぐに急須をゆすったり、そそぎたくなってしまうかもしれませんが、一呼吸置きましょう。ここで急須をゆすると苦みや濁りが出て、せっかくの新茶の美味しさが損なわれてしまいます。 その後、急須を軽く2~3回まわすことで茶葉が開き、さらに味がしっかりと出てきます。二煎目を淹れる時は、既に茶葉が開いているので1分待つ必要はありません。
④湯のみへそそぐ
湯のみへそそぐ時は、「廻し注ぎ」と呼ばれるそそぎ方をしましょう。1つ目→2つ目→3つ目の順番でそそいだら、3つ目→2つ目→1つ目の順番にそそぎこれを繰り返します。お茶の量や味を均等にそそぎ分けることができます。 また、最後の一滴までしぼり切りましょう。最後の一滴には旨味が凝縮されており、この一滴を入れるかどうかでお茶の旨味が全く違うものになるとも言われています。急須の中にお湯が残っていると二煎目のお茶が渋くなってしまうので、なるべくお湯が残らないようにそそぎ切りましょう。
新茶(緑茶)の栄養成分
カテキン
カテキンはお茶の苦渋味成分です。食事中のコレステロールの吸収を抑え、排出を促す作用があるとされています。動脈硬化を引き起こし心筋梗塞や脳梗塞の原因となるLDL(悪玉)-コレステロールを低下させ、動脈硬化の予防に役立ちます。
カフェイン
お茶の苦み成分で、主な作用として覚醒作用や利尿作用があります。カフェインはアルコールの代謝を高めるため、二日酔いにも効果があるとされています。また、覚せい作用があるので、疲労感や眠気対策にも効果があるとされています。 【台湾茶がトレンド入り】流行る前におさえておきたい!台湾のお茶文化と四大銘茶
テアニン(アミノ酸)
新茶に含まれる旨味・甘味成分となるアミノ酸の半分以上がテアニンです。テアニンは、日光に当たると渋み成分であるカテキンへと変化します。新茶は二番茶と比べると日照が少なく、テアニンが約4倍多く含まれるのだそうです。そのため、新茶は旨味・甘味が強く感じられるのです。 また、テアニンはリラックス効果やストレスを和らげる効果が期待できるという研究結果が出ています。新茶を飲みながらゆったりと過ごす時間を設けてみるのもよいのではないでしょうか。 【奈良県の名産品】独特な気候が生んだ「大和茶」は奥深い旨味が魅力!
茶殻まで楽しめます
新茶の葉は柔らかいため、茶殻を料理に使うのも◎新茶の水気を切った茶殻と桜エビなどを合わせた混ぜご飯や焼酎の新茶割り、新茶を粉末状にしてアイスやソフトクリームにふりかけて食べたりと、様々な楽しみ方がありますよ。ぜひ今が旬の新茶を堪能してみてはいかがでしょうか。 【参考文献】 堀江秀樹(2013年5月2日)「茶主要成分の茶浸出特性」『茶業研究報告91』30.独立行政法人農業技術研究機構 ・健康長寿ネット/カテキン https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/catechin.html 閲覧日:2021年3月10日 ・太陽化学カ株式会社 https://www.taiyokagaku.com/lab/health/theanine_pickup01/ 閲覧日:2021年3月10日 ・健康長寿ネット/緑茶の効能と美味しい淹れ方 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/tea.html 閲覧日:2021年4月26日 ・全国茶生産団体連合会 img全国茶主産府県農協連連絡協議会 茶ガイド https://www.zennoh.or.jp/bu/nousan/tea/katsuyou03.htm 閲覧日:2021年4月26日
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著者
高橋 みゆき(管理栄養士)
管理栄養士。大学で栄養学を学び、パーソナルトレーニングジムでのトレーニング・食事指導、ダイエットアプリでの食事アドバイス業務に携わり、現在では「食・栄養」をテーマにしたコラムも執筆。自身も25㎏のダイエット経験があり、ひとりひとりの性格や生活習慣に合わせ、継続しやすい減量方法・生活習慣改善方法を提案している。