【5月病かな?と感じたら】管理栄養士が教える「ホルモンバランス」の整え方
ゴールデンウィーク明けに「なんとなく、やる気がでない」「眠れない」「朝起きるのがつらい」などと感じ始めたら要注意。俗にいう「5月病」かもしれません。「5月病」は病名ではないものの、1960年頃より医学界で使われるようになった言葉です。「5月病」とは環境の変化が大きい4月に頑張りすぎたことで、無気力や無関心などの状態になることを言います。今回は、このような症状を感じた時に意識したい食事のポイントとおすすめのレシピや食事の組み合わせ方を紹介します。
2022年05月15日
食事でホルモンバランスを整えよう
セロトニンが重要
気持ちの安定にはセロトニンが影響しています。私たちの感情は、喜びや快楽をコントロールするドーパミンと、怒りや驚きなどをコントロールするノルアドレナリンによって左右されています。 この2つのホルモンのバランスをコントロールするのがセロトニンです。セロトニンの分泌が低下すると、これら2つのホルモンのバランスが崩れ、気持ちが不安定になると言われています。
セロトニンの分泌に必要な栄養素とは?
セロトニンはトリプトファンによって作られています。トリプトファンとは身体の中で合成することができない必須アミノ酸の1つです。セロトニンを合成するにはトリプトファンを多く含む食材を摂ることが大切です。 <トリプトファンを多く含む食材> 卵、高野豆腐、豚肉、鶏肉、まぐろ(赤身) 豆乳、かつお節、焼きのり、ナッツ など トリプトファンと一緒にビタミンB6やナイアシン、葉酸、マグネシウムなどをバランスよく摂ることでセロトニンが作られていきます。
朝のメリハリが大切!
朝起きたら、まずはカーテンを開けて朝日を浴びましょう。朝日を浴びることで睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられ、セロトニンの分泌量が多くなります。 さらに、朝食でトリプトファンを含むたんぱく質を摂るとセロトニンが分泌されやすくなります。朝食は主食、主菜、副菜を揃えて食べることが大切です。もし食欲がない時は、納豆かけご飯や卵かけご飯、バナナと豆乳など食べやすい形で摂ってみましょう。
おすすめレシピ
今回は1品でバランスよく栄養が摂れるレシピを紹介します。料理を作るのが面倒と感じた時にうれしい時短料理です。
きのこと鶏肉の雑炊
トリプトファンを豊富に含む鶏肉を使った1品。疲れを感じた時に摂りたいビタミンB1 を豊富に含み、消化の負担も少ない雑炊です。 ▶「きのこと鶏肉の雑炊」のレシピはこちら
簡単!のっけるだけ!爆弾丼
トリプトファンを豊富に含むマグロや納豆を使った1品。オクラやヤマイモ、メカブなどの食物繊維を豊富に含む食材を使っており、腸内環境を整える働きも期待できます。 ▶「簡単!のっけるだけ!爆弾丼」のレシピはこちら
食事を作る元気もないときは?
無理せず、コンビニやスーパーも活用しよう
手作りの料理がよいことは分かっていても、作る元気がない日もありますよね。そういう日は無理せず、スーパーやコンビニを活用しましょう。 コンビニやスーパーのお惣菜でバランスよく食べることは可能です。お弁当を買う時にはプラス野菜料理を足すことでバランスアップにつながります。単品で買う時には、ごはんや麺類などを1つ、肉・魚料理を1つ、野菜を使った料理を1~2つを目安に買うとバランスよく食べることができます。 自宅に冷凍野菜やフリーズドライの野菜スープなどをストックしておくのもおすすめです。外食をする時には定食を選ぶことがベストですが、麺類や丼ものを食べる時には野菜料理を足すことでバランスアップにつながります。
まとめ
生活を整えて、気持ちをすっきりさせましょう
ついつい長い休みは、開放感から夜更かしをしたり、食べ過ぎたりすることもありますよね。 ただ、睡眠のリズムが乱れることや暴飲暴食が気持ちの浮き沈みにつながります。夜更かしや食べ過ぎに気をつけて、食欲や状況に応じて食事を行い、気持ちを整えていきましょう。 【参考文献】 ・レファレンス協同データベース/レファレンス事例詳/「五月病」という言葉がいつ頃から使われ始めたか知りたい。(https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000217467)閲覧日:2021年3月4日 ・厚生労働省/e-ヘルスネット/健康用語辞典/休養・こころの健康/セロトニン(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-074.html)閲覧日:2021年3月6日 ・厚生労働省/e-ヘルスネット/健康用語辞典/休養・こころの健康/メラトニン(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-062.html)閲覧日:2021年3月6日
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著者
酒井 葉子(管理栄養士、東京糖尿病療養指導士)
幼少期にアトピー性皮膚炎で悩み、身体の内側から見直す必要性を感じて管理栄養士に。大学卒業後は、給食管理業務や医療機関での栄養指導に携わり、現在は保健指導やコラムの執筆に従事。食を通して、充実した毎日のサポートを行ってまいります。