【6月4日~10日は歯と口の健康週間】食べることから考える口腔ケア
6月4日から6月10日は、「歯と口の健康週間」であることを知っていますか?今年の標語は『のばそうよ 健康寿命 歯みがきで』です。そのことにちなんで、歯と口の健康と健康寿命との関連性、よく噛むことの大切さなどをご説明します。
2022年06月05日
「歯と口の健康週間」って何?
目的
「歯と口の健康週間」は、歯と口の健康に関する正しい知識を広めることや、歯科疾患の予防についての正しい習慣の定着、歯科疾患の早期発見や早期治療を徹底することを目的としています。これらによって歯の寿命を延ばし、健康の保持や増進につなげていこうと、厚生労働省、文部科学省、日本歯科医師会、日本学校歯科医会が連携し毎年実施されています。
由来と歴史
「歯と口の健康週間」は、元々は「む(6)し(4)」にちなんで、昭和3年に「虫歯デー」として始まりました。その後、昭和33年には「歯の衛生週間」という名前で期間を持った取り組みが実施され、平成23年8月に現在の「歯と口の健康週間」という名前に変更されたという歴史があります。変更された背景には、「歯科口腔保健の推進に関する法律」の施行が関係していて、歯だけではなく口腔やその周囲の健康を増進していくことを目的とするようになったからだそうです。
歯と口の健康と健康寿命には、密接な関係がある!
糖尿病との関連性
代表的な口腔疾患には、虫歯や歯周病がありますが、特に歯周病は糖尿病との関連性が高いものとされています。糖尿病の患者に歯周病の治療を行うことで、血糖コントロールの指標に改善がみられる可能性があることから、糖尿病の患者に歯周治療が推奨されているそうです。その他にも、さまざまな全身疾患との関連性が報告されています。
高齢者と口腔ケア
特に高齢者においては、口と歯の疾患により咀嚼機能や嚥下機能が低下することで、食生活に支障をきたし低栄養のリスクが高まります。すると筋肉の減少による疾患などから、要介護となるリスクが高まる可能性もあります。 『8020(ハチマルニイマル)運動』と呼ばれる取り組みがあるように、80歳までに20本以上の自分の歯を保つことは、健康寿命を延ばすことにもつながります。 ※健康寿命:健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間
健康を考えるきっかけにも
虫歯や歯周病の予防のためには、食生活や喫煙などの生活習慣を見直すことも重要で、そのことが生活習慣病の予防にもつながる可能性があることから、口腔の健康を維持することは全身の健康の維持にとっても重要であると言えます。
よく噛むことが大事!
虫歯や歯周病などの予防には、「正しい歯磨きをすること」と「食習慣を整えること」が大切です。「食習慣を整えること」とは、間食をだらだらと続けないことや、よく噛む習慣をつけることなどが挙げられます。よく噛んで食べることは特に重要で、具体的に以下のようなメリットを持ちます。 ・満腹中枢が刺激され食べ過ぎを防ぐ ・唾液の分泌が多くなり、栄養素の吸収・吸収がよくなる ・唾液の分泌が多くなり、口の中がきれいになる ・味や歯ごたえ、噛む音などの五感を使って楽しむことができる 食べるということ、特に「よく噛んで食べる」ということは、栄養を摂取するだけではなく、食べ物を味わう喜びを通して生きる意欲にもつながります。
よく噛むためのポイント
~食事づくり編~
食感や噛みごたえがあり、食べるときに自然とよく噛んで食べるような食事作りを意識することが大切です。具材を大きめに切ることや、食感を残すような調理方法を意識しましょう。 具体的には、肉や魚は加熱することでたんぱく質が凝固し噛みごたえが増します。ごぼうなどの根菜類や、切り干し大根などの食物繊維の多い食材、タコやイカのように弾力性のある食材を取り入れることも、よく噛む食事作りのポイントです。
~食べ方編~
食事の準備ができたら、次は『食べ方』。飲み物と一緒に流し込むような食べ方をしないために、食べ物が口の中にある間は飲み物やスープなど入れないようにしましょう。また、足がプラプラとしている状態では顎を含め身体にきちんと力が入らないため、床に両足の足底がついた姿勢で食べることも大切です。時間に余裕を持ち、急いで口の中にかきこむような食べ方は避け、楽しみながら食事を摂ることを心がけましょう。
まとめ
健康な生活を送るためにとても重要な、歯と口の健康。丁寧な歯ブラシや定期的な歯医者での検診はもちろんのこと、毎日の食事の仕方や食べ方も少し意識してみてください。健康な歯と口を維持して、おいしいものをおいしく味わえる生活を長く送りたいですね! 【参考文献】 ・公益社団法人 日本歯科医師会/歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020 (https://www.jda.or.jp/park/) 閲覧日:2021年3月3日 ・全国健康保険協会/噛むことの効果と秘訣/噛み応えのあるメニューをプラス (https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h30/310301001/) 閲覧日:2021年3月6日 ・厚生労働省/e―ヘルスネット/口腔の健康状態と全身的な健康状態の関連 (https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-01-006.html) 閲覧日:2021年3月6日
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著者
佐藤 友香(管理栄養士)
1992年生まれ、福島県出身、東京都在住。1児の母。大学卒業と同時に管理栄養士の資格を取得後、保育園にて勤務。離乳食、乳幼児食、アレルギー食に携わり、栄養相談や食育活動も得意分野。現在はフリーランスとして栄養に関するコラム執筆を中心に活動。