【台湾茶がトレンド入り】流行る前におさえておきたい!台湾のお茶文化と四大銘茶

【台湾茶がトレンド入り】流行る前におさえておきたい!台湾のお茶文化と四大銘茶

「タピる」という言葉も生まれたように、台湾発祥のタピオカミルクティーが日本で大ブームを巻き起こしましたよね。台湾には日本と同じようにお茶を飲む文化があります。最近では、台湾茶専門店が続々と日本に上陸し、2021年の食トレンドにも台湾茶が入るなど注目されています。今回は台湾のお茶文化と台湾四大銘茶についてご紹介します。

2021年03月27日

台湾とお茶の関係

独特の発展を遂げた台湾茶

台湾茶のルーツは中国茶です。中国清朝時代の1796年に、中国最大の烏龍茶の産地で知られている福建省の商人が、台湾北部に茶の苗木をもたらしたのが台湾茶の始まりであると言われています。 台湾は中国とは違い島国です。中国からもたらされたお茶は台湾の気候風土によって独特の発展を遂げ、現在の台湾ならではのお茶文化が形成されました。

台湾茶の種類

烏龍茶の生産が多い

お茶は茶葉を摘んだ後の発酵度合いによって不発酵茶、半発酵茶、発酵茶の3つに大きく分類されます。代表的な不発酵茶は緑茶、半発酵茶は烏龍茶、発酵茶は紅茶です。 緑茶は日本、烏龍茶は中国をイメージしますが、実は中国で最も多く生産されているのは緑茶です。一方、台湾では緑茶や紅茶も生産されていますが、圧倒的に多いのが半発酵茶の烏龍茶です。そのため、台湾茶には烏龍茶が多いということが特徴です。

台湾四大銘茶を知る

東方美人茶(とうほうびじんちゃ)

台湾北部の新北市坪林区で生産され、別名オリエンタルビューティーとも呼ばれています。茶葉の発酵度は比較的高く、紅茶に似た味わいで果物や蜜のような甘い香りが特徴です。 東方美人茶は、ウンカという害虫にかじられ商品として使い物にならない茶葉を捨てるのを惜しみ、お茶として製造したところ、爽やかな味わいと蜜のような甘い香りのするお茶が出来上がりました。まさに偶然の産物であり、今でもウンカにしっかりとかじられているかが味の決め手となっています。

木柵鉄観音茶(もくさくてっかんのんちゃ)

台湾北部の台北市文山区木柵で生産されているお茶です。鉄観音茶の産地である中国・安渓から鉄観音の茶樹を持ち帰り、木柵という地で栽培を始めたことから木柵鉄観音茶と呼ばれています。 揉捻(じゅうねん)という、茶葉を揉んで茶の成分を抽出しやすくする工程と焙煎を、何度も繰り返し行って作られるため、一般的なお茶に比べて手間と時間がかかります。香ばしい焙煎香と甘い香りが混ざり合った濃厚な味わいが特徴で、茶葉は丸くて黒っぽく、抽出したお茶は琥珀色です。

文山包種茶(ぶんさんほうしゅちゃ)

台湾北部の坪林、石碇、平渓などが含まれる文山地区で生産されているお茶です。発酵度が低いため、クセがなく飲みやすく、ほのかな甘みと芳香が特徴です。茶葉は緑色で細長い形状をしており、抽出したお茶は日本の緑茶の色に似ています。包種茶という名前は茶葉を紙で包んで売られていたことに由来しています。

凍頂烏龍茶(とうちょううーろんちゃ)

台湾中部にある南投県鹿谷郷の凍頂山一帯で生産されているお茶です。ペットボトル飲料としても販売されていることから、台湾茶の中では日本で最も知られている種類です。口に含むと蘭のような香りが広がり、ほのかな甘みが味わえます。 茶葉を袋に入れて揉み込む袋揉捻という工程によって、茶葉は丸い球状をしており、しっかりと丸まって形が崩れていないものほど上質だと言われています。 ノンカフェイン派の方へ!ほうじ茶やむぎ茶を取り入れてみませんか?

台湾茶の楽しみ方

専用の茶器を使って香りと味を楽しむ

台湾茶は味だけでなく、専用の茶器を使って香りを楽しみながら飲むことも醍醐味のひとつです。ご自宅に台湾茶をいれるための茶器がなくても、日本茶をいれる急須と湯呑みがあれば台湾茶を楽しむことが出来ますが、より本格的に楽しみたい方のために、台湾茶をいれる時に必要な基本的な茶器を紹介します。 □茶壺(ちゃふう):台湾茶をいれる時に使う急須で、日本のものに比べて小ぶり □茶杯(ちゃはい):お茶を飲む器で、日本の湯呑みに比べて小さい □聞香杯(もんこうはい):台湾茶の香を楽しむための器で細長い形をしている □茶海(ちゃかい):お茶の濃さを均一にするための器 □茶盤(ちゃばん):こぼれたお湯を受け止めるための箱 台湾茶は日本の緑茶のように茶壺から茶杯に直接注ぐことはせず、茶海に入れて味を均一にしておきます。そして、茶杯に注ぐ前に聞香杯に入れ、茶杯をかぶせてから上下をひっくり返し聞香杯のお茶を茶杯に移します。聞香杯に残ったお茶の香りを楽しんでから、茶杯に注いだお茶の味わいを楽しみます。 【奈良県の名産品】独特な気候が生んだ「大和茶」は奥深い旨味が魅力!

まとめ

台湾を訪れた際は茶藝館へ

飲むと口の中にふわっと甘さが広がる台湾茶についてご紹介しました。台湾では茶藝館という台湾茶を楽しむための場所があります。伝統的な作法でいれてくれるのはもちろんのこと、美しい茶器や伝統的な建物など芸術的な要素も楽しめます。 また、今はなかなか海外に行けないご時世ですので、台湾茶の茶葉を購入してご自宅で楽しんだり、国内にある台湾茶専門店で飲み比べをしてみるのも良いですね。台湾茶は今回ご紹介したもの以外にも、たくさんの種類があります。ぜひお気に入りの台湾茶を見つけてみてくださいね。 【参考文献】 ・山道帰一(2011)『はじめての台湾茶』株式会社ACCESS ・京都府/世界の茶の現状について (https://www.pref.kyoto.jp/nosan/documents/shinko-keikaku-sanko-siryo.pdf)※閲覧日:2021年1月24日 ・日本中国茶協会/中国茶FAQ (https://chinatea.org/chinesetea/)※閲覧日:2021年1月24日 ・cookpad /食トレンド予測2021 (https://static.cookpad.com/campaign/foodtrend2020/forecast2021/)※閲覧日:2021年1月24日

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著者

河村 桃子(管理栄養士)

管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。


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