【最新文献から学ぶ!】ビタミンCを摂取することで、筋肉の低下を防げる?

【最新文献から学ぶ!】ビタミンCを摂取することで、筋肉の低下を防げる?

綺麗に歳を重ねたい!と思っていても、加齢とともに筋肉量が落ちてくることが気がかりになっている方もいるかもしれません。イギリスの大学で、ビタミンCの摂取量と加齢に伴う筋肉量との関連性が見られたという研究結果が発表されました。今回、この最新文献を紹介しながら、老化防止に役立つビタミンCの働きについて紹介したいと思います。

2020年12月15日

「ビタミンCが筋肉量を維持?」の最新文献を簡単に説明

研究方法は?

42~82歳の男女約13,000人を対象に骨格筋量を計算しました。また、ビタミンC摂取量を7日間の食事記録から分析し、血中ビタミン濃度についても調べました。

研究結果を要約

「食事および血中ビタミンCの多かった人々は少なかった人々に比べて、推定される骨格筋量が多いことがわかった。」と示しました。また、「ビタミンCの摂取は中高年の筋肉の健康状態に重要であり、加齢に伴う筋肉減少を防ぐのに役立つ可能性が示唆された」とまとめました。 もちろん、加齢に伴う筋肉減少を抑える要因は複雑に絡み合うため、ビタミンCだけ摂れば良いというわけではありません。しかし、ビタミンCは筋肉減少の維持以外にも、老化の速度を抑える働きはいくつかあるため、是非とも意識して摂取したいビタミンの1つです。ビタミンCを多く含む食材は、野菜類や果物類です。

老化の加速を防ぐビタミンCの働き3つ

働き1:抗酸化作用

抗酸化作用とは、活性酸素の働きを抑えることを示します。活性酸素とは、大気中の酸素よりも活性された酸素で、過剰に活性酸素が発生すると、細胞を傷害し、がん、心血管疾患ならびに生活習慣病など様々な疾患を引き起こす要因となります。 私たちの身体は、体内で作られた酵素によって、活性酸素を抑える働きがあります。しかし、加齢とともに体内で作られる酵素が減るため、抗酸化作用がある食品を摂取することが重要になってきます。

働き2:コラーゲン生成に必要不可欠

ビタミンCは、美肌作りに欠かせないコラーゲンの生成に必要な栄養素です。コラーゲンは、皮膚や腱、軟骨などを構成し、強度を保つため、ハリのある美しい肌を作り出します。

働き3:抗ストレス

私たちは人間関係だけでなく、天候や騒音などの環境的要因の他、睡眠不足や病気などの身体的要因など様々な理由により、ストレスを感じます。特に精神的なストレスは、酸化ストレスが上がり、老化につながります。また、ストレスを感じる時にアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンを大量に分泌します。 ビタミンCはアドレナリン、コルチゾールといったストレスホルモンの合成に関与しているため、ビタミンCの摂取が大切になってきます。

ビタミンCの注意点

注意点1:調理により損失しやすい

ビタミンCは、水に溶け、加熱に弱い水溶性ビタミンです。そのため、食べ物に含まれるビタミンCの量は、長期保存や調理によって減少することがあります。なるべく果物や野菜などは、生で摂取すると、ビタミンCを最大限に取ることができます。 【栃木県のご当地食材】乾燥に負けない肌作りへ!とちおとめを使ったスイーツレシピ3選

注意点2:過剰に摂取しない

健康な人が、ビタミンCを一度にたくさん摂取しても、体内に吸収される量は限りがあり、その他は尿中に排出されます。そのため、毎日適量のビタミンCを摂取することが大切です。 厚生労働省が定める食事摂取基準では、1日のビタミンCは100mgとなっています。 例: みかん中1個 24mg キウイフルーツ中1個 54mg 青ピーマン100g 76mg 【12月13日はビタミンの日】意外と知らない?ビタミンについての豆知識

まとめ

老化対策には毎日果物や野菜を摂取しよう

今回、イギリスの大学で発表された最新文献を紹介しつつ、ビタミンCの働きについて紹介しました。年齢とともに老化現象が感じられてきたかなと悩まれている方は、この機会に日々の食事を見直し、果物や野菜を意識してみてはいかがでしょうか。 【参考文献】 「ビタミンCが筋肉量を維持?」(国立健康・栄養研究所) https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=72384&-lay=lay&-Find.html (アクセス日:2020年10月23日) 「抗酸化ビタミン」(厚生労働省) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html (アクセス日:2020年10月28日) 「活性酸素」(厚生労働省) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-041.html (アクセス日:2020年10月28日) 「コラーゲン」(厚生労働省) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html (アクセス日:2020年10月29日) 「ストレスってなに?」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/text1.html (アクセス日:2020年10月30日) 「ストレス負荷時の食事摂取量の変化と 必要な栄養素 ─被災者への栄養・食生活支援のために ─」(須藤紀子 、澤口眞規子 、吉池信男. 日本栄養士会雑誌2010年 第 53 巻 第 4 号39-45) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjda/53/4/53_4_349/_pdf (アクセス日:2020年10月30日) 「日本人の食事摂取基準(2020年)」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (アクセス日:2020年10月30日) 「食品成分データベース」(文部科学省) https://fooddb.mext.go.jp/ (アクセス日:2020年10月30日)

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著者

ウィリアムズ 早苗(管理栄養士)

大学卒業後、食品会社にてメニュー開発を経験。現在はオンラインでの栄養指導や、メディアでの執筆をしています。私たちが抱えている、食や健康に関しての問題点に注目し、それに向けての解決策の糸口となるようなお手伝いが出来る事をモットーにしています。


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