【今年の冬至は12月21日】運気が上がる?かぼちゃと柚子の風習はこうしてできた!
「冬至」というと、かぼちゃや柚子湯をイメージしますよね。でもかぼちゃの旬は夏から秋にかけての時期。なぜ冬にかぼちゃなのか、そして柚子湯にはどんな意味が込められているのか、疑問に思ったことはありませんか?今回は、昔の食生活事情から生まれた「冬至」の風習について、まとめてみました。
2020年12月21日
冬至ってどんな日?
「日短きこと至(きわま)る」という意味
冬至とは、1年で1番日が短く夜が長い日です。日照時間は夏至(太陽の位置が最も高くなる日。6月21日頃)と比較すると、北海道の根室で約6時間半、東京では約5時間差があるそうです。 冬至が過ぎると太陽が蘇り、人々にも精気が戻るという考えから、生命力の再生と回復を祈る風習があるとされています。冬至の日には、ある特定のものを食べる習慣が全国各地に残されています。
なぜ冬至にはかぼちゃなの?
冬至の七種(とうじのななくさ)
『冬至の日に「ん」の付くものを食べると運がつく(運盛り)』といわれていて、「冬至の七種」と呼ばれているものがあります。 南瓜(なんきん)=かぼちゃ 蓮根(れんこん) 人参(にんじん) 銀杏(ぎんなん) 金柑(きんかん) 寒天(かんてん) 饂飩(うどん) これらの食材を食べることで、たくさんの運を呼び込めるとされています。「冬至の七種」の中でも、冬至というと特に「かぼちゃ」のイメージが強いですよね。それは、かぼちゃの特徴が関係しています。
かぼちゃは栄養価が高い!
かぼちゃが免疫力を高めてくれる野菜であることが、冬至に食べられるようになったことと関係しています。かぼちゃには、βカロテンやビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類が豊富に含まれる他、エネルギー源となる炭水化物も豊富です。中でもβカロテンは、体内でビタミンAに変化して、皮膚や粘膜を保護し免疫力を高める効果が期待できます。 さらに高血圧の予防に効果的なカリウムや、腸内環境を整える食物繊維もバランスよく含まれています。栄養価の高いかぼちゃを食べることで、野菜の少ない冬での栄養を補い、風邪をひかずに乗り切るという知恵だといわれています。
かぼちゃは保存がきく!
今では、ハウス栽培や輸入品が多く出回り季節を問わずさまざまな野菜が手に入りますが、昔は冬にはあまり緑黄色野菜が採れませんでした。 そのため、夏や秋に採れた野菜を漬物や干し野菜にして保存食としていましたが、かぼちゃはそのまま保存することができるため、貴重な栄養源として食べられていました。縁起がよく、さらに栄養価が高く保存も効くかぼちゃは、昔の食生活事情にも適した食材だったのです。
他にもこんな風習がある!
柚子湯に入る
冬至に柚子湯に入る風習は、江戸時代からあったとされています。お風呂に入ることは身体を清めることで、独特な香りの柚子は邪気を払うとも考えられていました。柚子にはビタミンCが豊富に含まれ、柑橘類の中でもトップクラスです。 特に皮に豊富で、皮ごと食べることはあまりありませんが、皮と実の両方をお湯に入れることで、無駄なくビタミンCが溶け出します。抗酸化作用をもち、潤いやハリのある肌に導いてくれることで、ひびやあかぎれが治るとされていました。 また、血行促進作用もあり、冷え性の緩和や風邪予防としても効果的なため、衰えた身体を回復させるために、冬至に柚子湯に入るという風習ができたそうです。 【免疫力アップ】寒さに負けない!カリフラワーを使ったレシピ3選
小豆を食べる
小豆の赤い色は邪気を払う色で、魔除けの色や太陽を意味するともいわれています。そのことから、冬至には小豆を食べるという風習もあります。かぼちゃと小豆を一緒に煮る「いとこ煮」や、「小豆がゆ」を食べることで無病息災を願うという意味が込められているそうです。 【栃木県のご当地食材】乾燥に負けない肌作りへ!とちおとめを使ったスイーツレシピ3選
まとめ
いかがでしたか? これからますます寒くなり、冬至がやってきます。冬至を境に日が長くなっていきますが、まだまだ寒い日は続きます。風邪をひかないように、「いとこ煮」を作って食べて、温かい「柚子湯」にゆっくり浸かり、身も心もリラックスして何かと慌ただしい年末を過ごしたいですね! 【参考文献】 ・総務省統計局/なるほど統計学園/今日は何の日?/12月21日冬至 (https://www.stat.go.jp/naruhodo/c3d1222.html) 閲覧日:2020年10月19日 ・レファレンス協同データベース/冬至の日に食べる食事について、どんなものを食べるか、なぜ食べることになったのか、その作り方を知りたい/閲覧日:2020年10月19日 (https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000222559) ・レファレンス協同データベース/冬至の日に柚子湯に入るようになったのはいつ頃からか、またどのような理由からか。/閲覧日2020年10月19日 (https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000042268)
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著者
佐藤 友香(管理栄養士)
1992年生まれ、福島県出身、東京都在住。1児の母。大学卒業と同時に管理栄養士の資格を取得後、保育園にて勤務。離乳食、乳幼児食、アレルギー食に携わり、栄養相談や食育活動も得意分野。現在はフリーランスとして栄養に関するコラム執筆を中心に活動。