【筋肉をつけてやせるために!】効率的な食事内容とタイミングについて解説
運動をする際に、運動前後の食事内容やタイミングを意識している方はどのくらいいるでしょうか?運動前後の食事内容やタイミングに気を付けるだけで、効率よく筋肉を付け、脂肪を蓄積しにくい体にすることができますよ。今回は、運動前後の食事内容やタイミングについて管理栄養士が解説していきます。
2023年11月28日
食事前・食事後の運動の効果
食事前の運動効果
何も食べていない空腹時の体は、血液中の糖が少ない状態(低血糖)です。体が運動などでエネルギーを消費するには、血液中の糖から使おうとしますが、燃やせる糖が少ない時は、脂肪や筋肉を燃やしてエネルギーにします。 食前に運動をすると、基礎代謝が活発になり、食事で摂った栄養素を吸収するときに発生するエネルギーが通常よりも多く消費されます。そのため、食事前の運動は、余分な脂肪を燃やすために効果の高いタイミングと言えます。
食事後の運動効果
食後は、食べ物を体に取り込むことで血糖値が上昇します。その後に消費しきれなかった糖が、脂肪として体に溜め込まれ脂肪が付いてしまいます。食後に運動をすると、糖が脂肪として体に溜め込まれる前に血液中の糖を消費する効果があります。 つい食べ過ぎてしまった時などには、早い段階で運動してエネルギーを消費すると、体に脂肪がつきにくく太りにくい体質を目指せます。
運動前の食事内容とタイミング
注意ポイント
空腹時は血糖値が低下している状態なので、ふらついたり気分が悪くなってしまう恐れがあります。また、脳に酸素やエネルギーが送られにくい状況のため、集中力を保ちにくく、ケガにつながりやすくなる危険性もあります。 体内の栄養が足りない状態なので、自分の筋肉を分解してエネルギーに変えてしまうため、せっかく鍛えた筋肉も分解されやすくなります。運動前は完全に食事を抜いたりせず、エネルギー源であるご飯、麺類、パンなどの糖質(炭水化物)を忘れずに補給しましょう。
運動30分前の食事
運動直前に脂肪の多い食事や、満腹になるほどの食事をしてしまうと、消化不良を起こし腹痛の原因にもなってしまいます。スポーツドリンクやゼリー状食品、100%オレンジジュース、果物などの消化吸収性が高く、エネルギーに変換されやすい食品がおすすめです。 特にバナナは糖質だけでなく、筋肉の働きを調整するカリウムが豊富に含まれています。運動前に食べることで、筋肉の強化と回復によい効果が期待できます。
運動1時間前の食事
比較的に消化吸収の早い、炭水化物などの糖質主体の軽食を摂りましょう。小腹を満たす程度の量が◎!おにぎりやサンドイッチ、そばやうどん、カロリーメイトなどの栄養補助食品などがおすすめです。油分が多いものは消化に時間がかかるので、長時間の運動を行う際にはなるべく避けましょう。
運動2時間以上前の食事
油の多い食事や、満腹まで食べてしまうと消化に多くのエネルギーが必要になり、胃に負担をかけてしまいます。運動前に眠気や疲労につながってしまうこともあるため、腹八分目程度にし、蒸す、煮るなどの油少なめの料理を選ぶとよいですよ。炭水化物、たんぱく質、ビタミンやミネラルなどを含んだバランスのよい食事を心がけましょう。
運動後の食事について
注意ポイント
運動後は代謝が上がり、体内のエネルギーを大きく消費しています。エネルギーが不足すると、筋肉を分解してエネルギーを生成しようとするため、不足したエネルギーを補給する必要があります。 ダイエット中だから何も食べない、サラダだけで済ませてしまうなど、炭水化物(糖質)やたんぱく質を摂らないのはNGです。筋肉の合成を促進させ、疲労を回復させるためには、食事を抜いたり偏った食事内容にならないよう意識しましょう。
運動後の食事のタイミング
運動後の30~45分間は、筋肉の合成がピークとなる「ゴールデンタイム」と呼ばれており、その後も120分程まで筋肉の合成が促進されるとされています。運動後の体は飢餓状態になっており、栄養の吸収の効率がよくなり、筋肉の合成が進んでいます。 そのため、運動後はゴールデンタイム中に食事を摂ることで、筋肉が増えて基礎代謝が上がり、体脂肪の減少が期待できます。 どうしても食事を摂る時間が無い時や、食欲がわかない時には、筋肉の合成が高まっている120分以内を目安に、ゼリーやドリンクタイプのものや、片手でさっと食べやすいものなど、無理をせずご自身が食べやすいものを選択していきましょう。
運動後におすすめの食事
消費したエネルギーの補給と、筋肉の修復、体力の回復をするためには、炭水化物(ご飯・パン・麺など)、たんぱく質(肉・魚・卵・乳製品など)、ビタミン(野菜・果物など)、ミネラル(海藻類など)のそろったバランスのよい食事が重要です。 また、運動後は筋肉の合成が促進しており、筋肉アップにつながりやすいとされています。たんぱく質は筋肉をつくるための大切な材料ですので、たんぱく質が不足しないように摂取していきましょう。 脂質の多いたんぱく質の摂りすぎは、エネルギーの過剰摂取につながってしまうので、脂質の少ないたんぱく質を選択すると◎!赤身の肉や鶏ささみ、マグロの赤身や白身魚、エビや貝などの魚介類、卵白や低脂肪牛乳などの乳製品、などがあります。
運動後の食事が夜遅い時間になる場合
仕事終わりに運動すると食事が22時を超えてしまうなど、どうしても食べる時間が遅くなってしまうことがあるかもしれません。夜遅い時間帯の食事は、BMAL1(ビーマルワン)という脂肪を蓄えやすくする働きのあるたんぱく質が体内で増えるため、体重が増えやすくなってしまいます。 そのような時は、ご飯などの主食は控えめ、主菜は適量に意識しましょう。野菜多めで油分控えめのメニューをチョイスできるとよいですよ! 夜の食事を控えめにした分、翌日の朝食と昼食は栄養が不足しないよう、主食(ご飯やパンなど)・主菜(肉や魚など)・副菜(野菜や海藻など)のそろったバランスのよい食事を心がけましょう。
まとめ
健康やダイエットのために運動をしている方は多くいるかと思います。健康やダイエットの体づくりにはトレーニングメニューも大切ですが、食事のタイミングと内容も重要です。せっかく運動するからには、効率よく効果を出していきたいですね。運動前後のタイミングごとに必要な食事を意識して、ぜひ取り入れてみて下さいね! 【参考文献】 鈴木志保子,理論と実践スポーツ栄養学,日本文芸社,2018. 寺田新,スポーツ栄養学:科学の基礎から「なぜ?」にこたえる,2017.
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著者
高橋 みゆき(管理栄養士)
管理栄養士。大学で栄養学を学び、パーソナルトレーニングジムでのトレーニング・食事指導、ダイエットアプリでの食事アドバイス業務に携わり、現在では「食・栄養」をテーマにしたコラムも執筆。自身も25㎏のダイエット経験があり、ひとりひとりの性格や生活習慣に合わせ、継続しやすい減量方法・生活習慣改善方法を提案している。