【日本の食品産業も貢献】「SDGs(持続可能な開発目標)」の取り組みとは?
少子化や高齢化が進む日本とは対照的に、世界人口は休むまもなく増加し続けています。そんな中、2015年9月の国連サミットにて、2030年までに地球環境にも考慮しながら、全世界の貧困を終わらせ、一人一人が人間らしく暮らせる社会基盤を目指す目標が掲げられました。今回、日本の食品産業がこの「SDGs(持続可能な開発目標)」をもとに、社会にどのように貢献しているかを紹介したいと思います。
2020年11月13日
日本の現状を把しよう!
貧困問題はある?
農林水産省が日本国民に対して毎年3年ごとに調査する「国民生活基礎調査」の結果からみていきたいと思います。 生活意識の状況では、生活が「苦しい」(大変苦しい、やや苦しい)と答えた方は全体の54.5%となり、「母子世帯」だけでは86.7%とさらに高い確率で生活に困っていると答えました。また、貧困率の状況では、2018年の貧困線は年収が127万円に対して、その貧困線に満たない世帯員の割合は15.4%でした。 以上から見ても、貧困問題は発展途上国だけでなく、先進国の日本にも非常に関係する問題であることが分かります。 【お財布に優しい!】150円以下で作れる簡単おかずレシピ3選
環境問題は?
日本での気温の上昇(100年当たり約1.21℃)は、世界(100年当たり約0.73℃)よりも早いペースで起こっているのをご存じでしょうか。地球の温暖化により、大雨の頻度の増加や熱中症のリスクの増加がさらに高まると予測されています。 そこで、温暖化や気候システムに影響することが示唆されている温室効果ガスの排出などを減らす取り組みが必要になっています。
SDGs(持続可能な開発目標)とは?
誰もが人間らしく暮らしていくたの社会基盤が目標
SDGsとはSustainable Development Goalsの略で、日本語訳では「持続可能な開発目標」と表現されています。 これは、先進国と発展途上国のすべての国を対象に、2030年までに経済・社会・環境の3つの柱をバランスよく保つ社会を基盤作りとする世界共通の目標です。そのために、17のゴールと課題ごとに設定された169のターゲット(達成基準)が構成されています。
なぜ、日本の食品産業がSDGsに取り組むのか?
公的機関だけよりも、民間企業や市民が一人一人参加することで、効果はさらに高くなるのは言うまでもありません。そこで、民間企業の中でも、様々な栄養素を含む食品や食のサービスを提供している食品産業がSDGsに取り組むことで、健康な社会に貢献できると考えられています。 具体的には、人口減少や超高齢化社会が進む中で、どのような食品やサービスが必要か、環境に優しい製品づくり、多様な人材を確保できる仕組みなど様々な分野で、食品産業への社会的価値が求められています。 日本の食品産業が実際に行っている取り組みは沢山ありますが、今回3つの例をあげて説明したいと思います。
17の目標があるSDGsのうちに目標1、2、13を紹介
1.目標1:貧困をなくそう
所得は食事の内容に影響を及ぼすことが様々な調査で問題視されています。また、所得の差により教育などの機会格差も生じやすくなり、企業発展を保持する必要不可欠な人材の確保にも支障が生じます。 具体的には、賞味期限が迫った食品や、製造過程で包装や印刷に不具合にでた食品は、品質に問題がないため、これらの食品を福祉施設などへ無償提供する取り組むなどがあります。
2.目標2:飢餓をゼロに
誰もが、栄養のある食糧を十分に得られるためには、環境に優しい持続可能な農業を進める必要があります。そこで、食品産業はいろいろな栄養素を含む食品を供給できるものの、偏った栄養素の過剰摂取は健康に被害を及ぼす可能性があることから、正しい食の知識とともに提供することが大切になっています。 例えば、栄養バランスのよいメニュー提案に力をいれながら、毎日の食事の栄養バランスを向上させる製品を供給するなどです。また、アメリカで流行っている「野菜」「フルーツ」「たんぱく質」「トッピング」の4つの素材を組み合わせた「パワーサラダ」の提案に取り組み、健康で豊かな食生活に貢献している企業もあります。 【シャキシャキ食感を楽しむ!】万能食材「レタス」の魅力とアレンジレシピ3選
3.目標13:気候変動に具体的な対策を
地球の温暖化により、農産物の品質低下や供給に影響が生じるだけでなく、災害が頻繁に起こることで、操業等への支障をきたしかねません。注目したいのが、食品産業の事業活動は温室効果ガスの発生源の1つとなっていることです。 例として、省エネ設備の導入、重油から天然ガスへと変えることで、温室効果ガスの削減に取り組むなどです。
まとめ
SDGs x 食品産業についてもっと知ろう
今回、SDGsの趣旨と食品産業がSDGsをもとに実際に取り組んでいる内容を紹介しました。今まで食品産業の活動を聞いたことはあったけど、SDGsについて知らなかった方もいるかもしれません。 今回、紹介した内容はほんのわずかな部分なので、この機会に興味を持たれた方は、農林水産省が運営する「SDGs x 食品産業」のウエブサイトにアクセスしてみてはいかがでしょうか。 【参考文献】 「SDGs x 食品産業」(農林水産省) https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/index.html#new (アクセス日:2020年9月15日) 「2019年 国民生活基礎調査」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf (アクセス日:2020年9月15日) 「環境白書」(環境省) https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r01/index.html (アクセス日:2020年9月16日)
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著者
ウィリアムズ 早苗(管理栄養士)
大学卒業後、食品会社にてメニュー開発を経験。現在はオンラインでの栄養指導や、メディアでの執筆をしています。私たちが抱えている、食や健康に関しての問題点に注目し、それに向けての解決策の糸口となるようなお手伝いが出来る事をモットーにしています。