【9月1日は防災の日】ローリングストックで「もしも」の時に備えよう!

【9月1日は防災の日】ローリングストックで「もしも」の時に備えよう!

9月1日は「防災の日」です。いつ起こるかわからない自然災害への備えは出来ていますか?今回は、災害時を生き抜くために欠かせない、「もしも」の時の食事についてお伝えします。年に一度の「防災の日」に、改めて災害への備えと意識について、考えてみてはいかがでしょうか?

2020年09月01日

防災の日とは?

防災についての認識を高める日

「防災の日」は、台風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波等の災害についての認識を深めるとともに、災害に対する備えや心構えを持っておくことを目的に、1960(昭和35)年に制定されました。毎年9月1日を防災の日とし、この日を含む1週間を防災週間として、災害時を想定した避難訓練などが行われています。

9月1日は関東大震災が起きた日

1923(大正12)年9月1日に首都圏を襲った関東大震災は、マグニチュード7.9の巨大地震で、10万人以上の死者・行方不明者が出ました。また、9月は台風が多くなる時期です。そのため、災害への備えを怠らないようにするために、9月1日を防災の日として制定しています。

災害時のために備蓄していますか?

最低3日分、可能であれば1週間分の備蓄を

内閣府が平成29年に行った「防災に関する世論調査」によると、家庭において大地震に備えて食料や飲料水を準備している人の割合は45.7%と、約半数の家庭が災害時のための備蓄をしていないという結果でした。 地震に限らず、災害が発生すると電気やガス、水道などのライフラインが止まることがあり、ライフラインが復旧するまでには時間がかかります。そのため、家庭での備蓄は最低3日分必要であるとされており、さらに大規模災害が起きた場合は1週間分の備蓄が必要であるとされています。 すでに備蓄されているという方は、ご家庭の人数に対して何日分あるかも把握しておきましょう。

水は必ずストックを

水は飲むためのものと、調理に使うものとで合わせて1人あたり1日3L必要とされています。私たちの体の約60%は水分です。命を守るためには、水は必ずストックしておきましょう。 また、飲料用として水以外に、普段から飲み慣れているお茶や清涼飲料水をストックしておくのも良いでしょう。最近では長期保存が可能な野菜ジュースも販売されています。水分補給とともに、不足しがちなビタミン、ミネラルも補給できておすすめです。

たんぱく質が摂れる食品もストックしておこう

長期保存が出来る備蓄食は炭水化物がメインのものが多く、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足する傾向にあります。備蓄する食品には、肉や魚の缶詰、レトルトパックに入った蒸し大豆など、たんぱく質が摂れる食品も一緒にストックしておきましょう。 また、東日本大震災の時には、被災地では甘いものを食べたことで心がほっとしたという経験をされた方が多くいらっしゃったそうです。この経験から、最近では備蓄用のスイーツが開発されたり、甘いものなどの嗜好品も備蓄食に加えておくこともおすすめです。

行政が出しているガイドラインを参考に備蓄しよう

災害時に備えて備蓄をしないといけないと、頭では分かっていても、何をどのくらい備蓄したら良いのか分からないという方は、行政が出しているガイドラインを参考にすることをおすすめします。 農林水産省では、「災害時に備えた食品ストックガイド」を作成し、インターネット上で閲覧できるようになっています。また、ご自身がお住まいの自治体でも備蓄に関する情報が発信されていますので、確認してみると良いでしょう。 ※農林水産省/災害時に備えた食品ストックガイド (https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/attach/pdf/guidebook-3.pdfl) ※東京都の場合:東京都防災ホームページ/「日常備蓄」を進めましょう (https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/554/kiiro.pdf)

「ローリングストック」で備えよう!

「備える→消費する→買い足す」を循環させる

最近では、長期保存できる備蓄用の食品とは別に、ローリングストックという方法での備蓄が推奨されています。ローリングストックとは、普段から少し多めに食品を買い置きしておき、賞味期限が切れる前に消費して、消費した分を買い足すという方法です。 常に一定量の食品が家庭で備蓄されていること、消費したら買い足すことで賞味期限切れを防げること、そして普段から食べ慣れている食品が非常時の食事になるという点が大きなメリットです。

定期的に防災食の日を作ろう

ローリングストックをしてはいるものの、実際に災害が起きた時に活用できるようにするためにも、定期的にストックしている食品を使って防災食を作る日を設けることがおすすめです。また、定期的に防災食の日で食品を消費することで、賞味期限切れを防げるというメリットも。 防災食を作る時は、ライフラインが止まった時を想定するなど、普段から訓練していることで備えに対して気づくことがあります。いざという時のためにも、日頃の備えと訓練が大切ですね。 【食のプロが選ぶ!】管理栄養士も食べる「ダイエット向きの食材」BEST3

ポリ袋で調理「パッククッキング」

限られたライフラインで効率的に調理

パッククッキングとは、ポリ袋に食材を入れて、湯煎で火を通して調理するという方法です。一つの鍋で複数の料理が作れ、ポリ袋のまま食器におけば食器を汚すことがなく、節水にもつながるという点から、災害時の調理法として注目されています。 パッククッキングについても、日頃から作ってみないとわからないことが多くありますので、防災食の日にパッククッキングも訓練しておきましょう。パッククッキングのレシピはインターネットで検索するとたくさん出てきますので、参考にすると良いですよ。 【胃に優しいレシピ集!】管理栄養士が元気を復活させる秘密を教えます

まとめ

いつ起きるかわからないからこそ備えよう

2011年に起きた東日本大震災では、マグニチュード9.0と国内観測史上最大の地震が発生し、大きな被害が出ました。また、記憶に新しいのが2019年10月に発生した台風19号で、関東地方や甲信地方、東北地方では大きな被害が出ました。このように、災害はいつ発生するかわかりません。だからこそ、日頃の防災意識が大切ですね。 また、災害時の備蓄には、食事と一緒に備えておいて欲しいのがトイレです。過去の震災ではトイレが十分にないために、水分補給や食事を我慢してしまったというケースもあります。食べた分だけ、体から出ていきますので、トイレの備えも忘れずに! 1年に一度の防災の日に限らず、日頃から防災意識を持て、災害について考える機会を定期的に作ってみてはいかがでしょうか。 【参考文献】 ・総務省統計局/なるほど統計学園/9月1日 防災の日 (https://www.stat.go.jp/naruhodo/c3d0901.html) ・農林水産省/近畿農政局/災害時に備えて食品の 家庭備蓄を始めよう (https://www.maff.go.jp/kinki/syouhi/mn/iken/attach/pdf/01nendo-1.pdf) ・独立行政法人農畜産業振興機構/震災時、ココロをほっとさせた「甘いもの」 (https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000668.html) ※閲覧日:2020年6月12日(全て)

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著者

河村 桃子(管理栄養士)

管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。


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