【毎日の食事でケアしよう】ストレスを感じたら摂りたい栄養素って?
様々なストレスを抱えている現代人。ストレスの原因をなくせれば良いのですが、なかなかそう簡単にはいきません。ストレス社会を生きていくには、ストレスに負けない体づくりが大切です!今回はストレスに負けない身体を作るために必要な栄養素をご紹介します。
2023年09月20日
ストレスとは?
心身に負荷がかかった状態
ストレスとは心身に負荷がかかった状態のことを言い、負荷をかける要因として環境的・身体的・心理的・社会的の4つに大別されます。 ◎環境的要因 ・・・ 暑さ、寒さ、湿度、騒音など ◎身体的要因 ・・・ 疲れ、痛み、病気、怪我、睡眠不足など ◎心理的要因 ・・・ 不安、心配、恐怖、緊張など ◎社会的要因 ・・・ 人間関係、仕事が忙しいなど
ストレスには急性と慢性の2種類ある
ストレスは時間軸で見ると急性と慢性の2種類に分けられます。急性ストレスとは、身の回りの急な変化や、突如訪れた危機的な状態の時に感じるストレスを言います。慢性ストレスとは、持続的に感じているストレスのことであり、慢性ストレスが続くと心身に大きな悪影響を及ぼします。現代では仕事などの社会生活で慢性ストレスを感じている人が多く問題視されています。
働く人の2人に1人はストレスを感じている
平成29年労働者安全衛生調査(厚生労働省)によると、「仕事や職業生活に関することで強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合」は59.5%で、2人に1人は何らかのストレスを感じています。また、ストレスを感じている人の割合は平成28年よりも3.9%増加し、年々ストレスを抱える人の割合は増加しています。そのため、ストレスに負けない体づくりが大切です。
ストレスを受けると人の身体は戦闘モードに!
副腎からホルモンが分泌される
私たちはストレスを受けると、ストレスに立ち向かうため体温や血糖値を上げるホルモンを分泌し、身体が戦闘モードになります。この時に分泌されるホルモンが副腎髄質から分泌されるアドレナリン、副腎皮質から分泌されるコルチゾールです。本来はストレスから身を守るホルモンなのですが、ストレスが続き過剰に分泌されると体に悪影響を及ぼします。
アドレナリンは交感神経を優位にする
ストレスを感じると体内では副腎髄質からアドレナリンというホルモンが分泌されます。アドレナリンには、血糖値や血圧を上昇させる・胃酸分泌を促進する・覚醒などを引き起こすなどの作用があります。またアドレナリンは交感神経を優位にする働きがあります。
交感神経により身体がさらに戦闘モードに
私たちは自律神経によって内臓の働きや代謝、体温調整などが行なわれており、これらは私たちの意思では調整することが出来ません。自律神経には血圧を上げる・心拍数をあげる・瞳孔を拡大させるなど、昼間や活動しているときに活発になる交感神経と、血圧を下げる・心拍数を下げる・瞳孔を縮小させるなど、夜間やリラックスしているときに活発になる副交感神経とがあり交互に働いています。 しかし、ストレスによりアドレナリンの分泌が高まり交感神経が優位になることで、私たちの身体はさらに戦闘モードになり、交感神経が高まった状態が続くと動悸や目眩・食欲不振・不眠などといった不調が体に現れます。
抗ストレスホルモン「コルチゾール」
アドレナリンの他に、ストレスを受けると副腎皮質からコルチゾールというストレスを軽減してくれるホルモンが分泌されます。コルチゾールの働きは栄養素をエネルギーに変える、血圧を高めることを促す、炎症を抑えるなど、基本的には身体のバランスを整える働きをしています。しかしストレスにより分泌バランスが崩れると、血糖値を高める、血圧上昇させるなど悪影響を及ぼします。そのため、コルチゾールが過剰に分泌されると糖尿病や脳血管疾患などの生活習慣病を引き起こす可能性があります。
ストレスには休養とともに充分な栄養を!
消耗した栄養素を補う
ストレスを解消するには休養だけでなく栄養補給も大切です。ストレスを感じている時は、カルシウムやマグネシウム、たんぱく質、ビタミンCを積極的に食事から摂りましょう。
精神を安定させるカルシウム・マグネシウム
カルシウム・マグネシウムには神経の興奮を鎮め、精神を安定させる作用があります。カルシウムは牛乳やチーズなどの乳製品、豆腐製品、小魚、小松菜、切り干し大根などに多く含まれています。また、魚やきのこなどに含まれるビタミンDと一緒にカルシウムを摂ると体への吸収率が高まります。マグネシウムは豆腐や納豆、しらす干し、アーモンド、カシューナッツ、ワカメ、昆布などに多く含まれています。
ホルモンの材料になるたんぱく質
たんぱく質はストレスにより分泌されるホルモンの材料であるため、消耗が激しく補給が必要です。たんぱく質は肉や魚、卵、豆製品です。たんぱく質は一度にたくさん摂っても体に溜めておけないので、毎食手のひら1枚分のたんぱく質源をとりましょう。また、一つの食品からたんぱく質を摂るのではなく、様々な食品から摂ることで効率よくたんぱく質を補給できます。
ホルモンを作り出す時に欠かせないビタミンC
美容効果のイメージが強いビタミンCですが、ホルモンを作り出す時に必要であるため、たんぱく質と同様にストレスを受けていると消耗が激しくなります。ビタミンCはキウイフルーツやオレンジ、ピーマン、パプリカ、ブロッコリーに多く含まれています。また、これから秋にかけて旬を向かえる柿もビタミンCが多い果物です。
まとめ
日々の食事でストレスケア
ストレスケアというとゆっくり休むことを考えがちですが、ストレスによって栄養素は激しく消耗します。消耗した栄養素を食事から補い、ストレスに負けない体を作りましょう!これから年末にかけてはストレスを受けやすい時期でもあります。日々の食事からストレスケアに取り組み、笑顔で毎日を過ごしましょう!
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著者
河村 桃子(管理栄養士)
管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。