【女性の1日の適正量って?】飲みすぎに気を付けたい!お酒にまつわる素朴な疑問

【女性の1日の適正量って?】飲みすぎに気を付けたい!お酒にまつわる素朴な疑問

最近ではお酒を飲む女性が増えており、女性が一人でも気兼ねなく入れる居酒屋やバーも増えています。しかし、女性は男性に比べると、お酒に弱い傾向にあります。そこで今回は、なぜ女性はお酒に弱いのか、そしてお酒を楽しむためにも女性の1日の適正量はどのくらいなのかを解説します。 

2022年10月25日

女性の飲酒率は増加傾向

飲酒をしている女性の割合は8.6%

平成29年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している女性の割合は8.6%でした。平成22年の調査では7.5%であり、年々飲酒をしている女性の割合は増加しています。一方男性の飲酒率を見てみると平成22年は15.3%、平成29年は14.7%と目立った増減はなく横ばいで推移しています。

女性は肝臓に障害を受けやすい

女性は男性に比べてお酒に弱い傾向にあり、アルコールを代謝する能力は男性の3/4程度しかないと言われています。そのためお酒による様々な障害を受けやすく、中でも特に注意したいのがアルコール性肝疾患です。 アルコール性肝疾患とは、お酒の過剰な摂取が原因で起きる肝臓の病気の総称で、アルコール性肝炎やアルコール性脂肪肝などがあります。女性は男性よりも少量の飲酒、または短期間の飲酒でアルコール性肝疾患を発症し、また男性よりも10年以上早く肝硬変へ移行するとの報告もあります。

女性がお酒に弱い理由①「体格」

男性に比べて肝臓が小さい

口から入ったアルコールは胃で約20%、小腸から約80%吸収され血液によって肝臓に送られ分解されます。肝臓の大きさは体格に比例すると言われており、男性に比べて体格の小さい女性は肝臓も小さいため、アルコールを分解できる量が少なくお酒に弱い傾向にあります。

体重が軽いため血中アルコール濃度が高くなりやすい

アルコールは肝臓で分解されるのですが、一度に分解できる量には限りがあるため、お酒をたくさん飲むと血液中に肝臓での分解を待つアルコールが増えます。この血液中にあるアルコールの量を血中アルコール濃度と言います。 血中アルコール濃度が高くなるにつれ、酔いの状態が進んでいきます。女性は男性に比べ体重が軽いため血液量も少なく、同じ量を飲んでも血中アルコール濃度が高くなりやすく酔いやすい傾向にあります。

女性がお酒に弱い理由②「女性ホルモン」

女性ホルモン「エストロゲン」はアルコール分解を抑制する

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。その中でもエストロゲンには肝臓でのアルコール代謝を抑制する作用があります。そのため、血液中にアルコールが長時間残ることになり、血中アルコール濃度が上がり酔いやすくなります。

排卵日と月経前はエストロゲンが増えるため酔いやすい

エストロゲンとプロゲステロンの量は月経周期によって変化します。エストロゲンは生理後2週間ほどで起きる排卵日に向かうにつれて高くなり、その後は一時的に減少しますが再度月経前になるとエストロゲンの量は増加します。アルコールの代謝を抑制するエストロゲンの量が増える排卵前と月経前は、酔いやすい傾向にありますので、自分の生理周期を把握しながらお酒を飲むことが大切です。

女性の飲酒の適量とは?

適量は純アルコールで1日20g以下

国民の健康に関する課題や目標を示した「健康日本21(第2次)」では、男性については1日当たり純アルコール10~19g、 女性では1日当たり9gまでで最も死亡率が低く、1日当たりアルコール量が増加するに従い死亡率が上昇することが示されていると記載さています。そのため、「節度ある適度な飲酒」は1日平均純アルコールにして約20g程度、女性は20gよりも少ない量が望ましいと記載されています。

目標は女性の20g以上の飲酒者の割合を15%削減

「健康日本21(第2次)」では適正な飲酒量の記載に加え、2010年の基準値に比べて2022年までに生活習慣病のリスクを高める量(純アルコール換算で男性40g/日以上、女性20g/日以上)を飲酒している者の割合を15%削減することが目標として記載されています。

純アルコール20gの目安はこのくらい!

純アルコール量はお酒のアルコール度数に比例します。例えばアルコール度数が高いウィスキーよりも、アルコール度数が低いビールの方が同じ量を飲んでも純アルコールの量は少ないです。一般的なお酒の純アルコール20gの目安量を下記に記載しています。女性の場合はこの量よりも少ない量が1日の適正量となります。 ◎ビール、発泡酒(5%) ・・・ 中瓶1本(500ml) ◎缶チューハイ(5%) ・・・・ 約1.5缶(500ml) ◎日本酒(15%) ・・・・・・ 1合(180ml) ◎焼酎(25%) ・・・・・・・ ロックグラス1杯強(100ml) ◎ワイン(12%) ・・・・・・ グラス2杯弱(200ml) ◎ウィスキー(43%) ・・・・ ダブル1杯(60ml)590471582

まとめ

お酒を楽しむためにも適量飲酒が大事!

女性は体格やホルモンの関係でお酒に弱い傾向にあり、また女性は肝疾患のリスクも高いです。ですので、お酒を飲む方は定期的に健康診断を受けて自分の肝臓の状態を把握しましょう。そして適正量を守り、お酒を長く楽しく飲めるようにしていきましょう!

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著者

河村 桃子(管理栄養士)

管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。


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