【長寿大国の日本から学ぶ!】健康に長生きするための食生活ポイント3つ
世界の長寿大国といえば、日本。では、なぜ日本人はこれほど長生きするようになったのでしょうか?その理由の1つとして、「従来型の日本式食生活がほどよく変化していること」だと、日本の国立がん研究センターが今年7月に研究結果を発表しました。今回、管理栄養士がこの最新文献を解説するとともに、健康に長生きする食生活のポイント3つを紹介します。
2020年11月22日
日本人は何歳まで健康生きる?
平均寿命と健康寿命には差がある
厚生労働省が発表した令和元年の簡易生命表によると、日本人の平均寿命は、男性81.41歳、女性87.45歳と前年よりもさらに伸びた結果となりました。しかし、この平均寿命は、「寝たきり」や「認知症」も含むため、健康な時期と大きな差があると言われています。 一方、平均寿命から寝たきりや認知症を省いた指標を健康寿命と言います。日本ではこの健康寿命と平均寿命の差が大きく2016年では、平均寿命が男性で80.98歳に対して健康寿命が72.14歳、女性で平均寿命が87.14歳に対して健康寿命が74.79歳でした。 健康寿命も2010年に比べて伸びているものの、厚生労働省はこの健康寿命のさらなる延伸を目標としています。
「なぜ日本人は長寿になった?食と栄養から探る」の研究結果を簡単に説明
研究方法とは?
日本型食生活と栄養素摂取量の変化の観点から、50年以上前の日本と現在の日本を比較しました。また、その際に平均寿命や死因順位なども照らし合わせました。
研究結果を要約
「現代の典型的な日本人の食生活では、植物性食品や魚の摂取に加え、ほどほどに西洋式食、つまり肉・牛乳・乳製品を取り入れることによって、日本での長寿に関連している可能性がある」と結論づけました。 従って、偏った食品を摂るのではなく、バランスのよい食生活が日本人を長寿にしている可能性が考えられます。もちろん、日本人の平均寿命が延びている理由は様々な理由が考えられるため、食生活だけとは言い切れません。その1つに日本の高度な医療技術や制度の充実は欠かせません。 一方、バランスのよい食生活は健康を維持・増進する際に欠かせないのは事実です。次に長寿につながる食生活のポイント3つを紹介したいと思います。
長寿につながる健康な食事とは?
ポイント1:主食、主菜、副菜を揃えよう
バランスのよい食事を考えるのはなかなか大変ですが、ご飯などの主食、肉類、魚介類、大豆製品を多く含む主菜、野菜などを使った副菜を基本とすることで、自然と必要な栄養素もバランスよく摂ることができます。 【うま味を賢く活用!】出汁を使った美味しいレシピ5選
ポイント2:従来の日本食から減塩した食事を
日本食といえば、「さ(砂糖)し(塩)す(酢)せ(醤油)そ(味噌)」が基本の調味料とされ、塩、醤油、味噌の使い方次第で食塩摂取量が多くなりやすいのが特徴です。そこで、これらの調味料だけに頼って味付けをするのではなく、素材の自然の味を生かした料理の工夫が必要です。 例えば、薬味やかんきつ類の酸味などをうまく活用することで減塩することができます。 また、日本食でもご飯、漬物、味噌汁のみなど簡単に食事をすます食生活を続けると塩分が高る傾向にあります。最近では減塩の醤油などの調味料も多く開発されているため、上手に取り入れてもよいかもしれません。 【無理なく取り入れたい】管理栄養士が教える「減塩」のコツとは?
ポイント3:洋食は頻度に注意しよう
日本食は油脂類が少ないのが特徴なのに対して、洋食は脂質やたんぱく質が多くなりやすく、食物繊維が不足しやすいのが特徴です。主食、主菜、副菜を基本として、洋食を食べたい場合は、活動量が高い昼食に食べるなど時間や頻度に注意しましょう。
まとめ
主食、主菜、副菜を揃えて健康に長生きしよう
今回、日本で発表された最新文献を紹介しつつ、食の観点でなぜ日本は長寿大国になったのかについて一部を解説しました。食の欧米化が進む中、健康に長生きするためには、日本食を基盤としながら、バランスのよい食事は欠かせません。 今回紹介したポイントを参考にして、健康に長生きする食生活を始めてみてはいかがでしょうか。 【参考文献】 「なぜ日本人は長寿になった?食と栄養から探る」(国立健康・栄養研究所) https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=71916&-lay=lay&-Find.html (アクセス日:2020年9月25日) 「Why has Japan become the world’s most long-lived country: insights from a food and nutrition perspective」(Tsugane Shoichiro. European Journal of Clinical Nutrition (2020)) https://doi.org/10.1038/s41430-020-0677-5 (アクセス日:2020年9月27日) 「健康寿命」(厚生労働省) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-031.html (アクセス日:2020年9月27日) 「「健康日本21(第二次)」中間評価報告書」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/000378318.pdf (アクセス日:2020年9月27日) 「主な年齢の平均余命」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/dl/life19-02.pdf (アクセス日:2020年9月28日) 「日本人の長寿を支える「健康な食事」の普及について」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000096730.html (アクセス日:2020年9月28日)
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著者
ウィリアムズ 早苗(管理栄養士)
大学卒業後、食品会社にてメニュー開発を経験。現在はオンラインでの栄養指導や、メディアでの執筆をしています。私たちが抱えている、食や健康に関しての問題点に注目し、それに向けての解決策の糸口となるようなお手伝いが出来る事をモットーにしています。